また出会える日まで『輪廻転生』 (ページ1)

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壱に入る前に。ページ1

この世界には、邪悪な鬼がいたそうな……

その鬼は、村人を殺し、喰い殺してきたそうな。

そんな、鬼に困った村人たちは一人……生贄を与えることにしました。

村人たちから無理やり選ばれたのは、村一美しいと言われる村娘でした。

嫌がる娘を、白い着物に着替えさせ池の前に連れてこられその娘は両親に助けを求めました。

「おっかー！！おっか！！」

母親は、涙を流しながら、「ごめんね」と呟き娘に背を向けてしまった。

裏切られた娘は絶望に追いやられ、池に突き落とされてしまったのです。

娘を生贄にやった村人たちは大喜びしました。

池に沈んでいく娘は、苦しさから口を開けますが、入ってくるのは水。

そのまま、死を悟った娘は静かに瞼を閉じようとしますが、どこからか伸びた手に抱きしめられました。

村人は池に背を向けようとしたその時、大きな水しぶきと共に、姿を表したのは。

鬼でした。

鬼は娘を抱え村人たちに怒声を浴びせ高い山の王宮に連れ去ってしまったのです。

娘は、冷たくなった体と水と涙でぐちゃぐちゃになった顔と身体を起こし辺りを見回すと。

鬼がいたのです。

娘は鬼に驚き死を悟りまた泣き出してしまったのです。

ですが……鬼は娘を喰らうどころか、温かい食事を与えました。

最初は信じられなかった娘は、鬼に心を許しいずれ。

鬼と娘は恋に堕ちたのです。

幸せに暮らせると思いましたが、それは叶いませんでした。

国からやって来た、国の兵士が鬼討伐にやってきてしまいます。

国王は村一美しいと言われる娘を嫁にしたく、鬼を倒そうとしてきました。

娘は、鬼を守ろうとしました。

それを見た国王は怒り狂い娘を殺そうとしますが鬼が娘を庇い、死んでしまいます。

「来世で出逢える、ように。」娘は嘆き悲しみその言葉に頷き、優しく口づけをし、娘は、自害してしまったのです。