「均衡」 ページ29
岩泉side
Aから聞いた中学時代の話は
ただただ哀しいものだった。
ここまで来るのに彼女がどれだけのものを背負ってきているのか。
目の前で自分を責めるAに胸が痛む。
隣の及川も同じ表情をしている。
小学校の時、Aは周りとは少し違う空気を持っていた。
出会ったのは俺は小3でAが小1の時。
その時は普通に同じクラブチームでバレーしてたけど、
6年になってAは周りの人とは違うんだと自覚した。
Aは背負いすぎなのだ。
1度Aはいじめられたことがあった。
辛くて苦しいはずなのにAは毎日学校に来ていた。
いつもと同じ元気な笑顔はなんの不安も感じさせず、俺らでさえも気づかなかった。
それにそのいじめの原因はAがクラスメイトを庇ったかららしい。
それでもAは泣いたりなんかしなかった。
いじめに気づいたのは本当に卒業まであと少しの時。
鋭い観察眼を持ち合わせていた及川がAの異変に気づいたのだ。
「いじめられているのか？」
そう聞いた時Aは初めて泣いた。
ずっとずっと小さな啜り声をあげながら。
俺はAにいじめを止めること以外何もしてやれなかった。
小学校と中学の壁は大きくて寄り添ってあげることが出来なかった。
Aは優しすぎるんだよ。
目の前で『私はここに居る資格なんてない』と呟きながら泣くA。
そんなに自分を責めるなよ。
自分を追い込むなよ。
ここにいる資格なんていらない。
Aは1度も逃げ出してないだろ？
泣かないでくれ。
言いたいことは沢山あった
でも…
「話してくれてありがとな。 」
俺は気の利いたことは言えねぇけど…
「Aは自分を嫌いかも知れねぇけど俺はAのこと好きだ。」
これが俺の本心。
中学時代。
確かにお父さんの死を嬉しいと思ったAはおかしいのかもしれない。
でもこれだけは言える。
「Aはちゃんと頑張ってる。ここに居る資格はそれで充分だ。」
そう言ってAの頭に手をのせる。
「Aちゃん、今までよく頑張りました！」
及川も優しくAの頭を撫でる。
『あっ…あり、がとう』
「ほらほら泣かないのっ！目腫れちゃうよ？」
『うんっ』
Aが泣き笑いの表情を見せる。
やっぱりAは笑顔の方が似合う。
目の前に居る大切な人に護るものが明確になった。
また1からやり直していこう。
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桜花 - 私だったら絶対夢主ちゃん選ぶけどなぁ。夢主ちゃん応援してます！ (2022年3月22日 11時) (
レス) id: 9244dafa1b (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 4ページ 留めは とありますが、前後の文の感じでは 止め ではないかなと思ったのですが違ったらすみません。 (2021年3月18日 23時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
しゅがー - えっ...好きです!!なぜか綾瀬ちゃん恨むけどそれ以上に夢主可愛い!!!!応援してます！頑張ってください (2021年1月4日 18時) (レス) id: cf5f1a0d9a (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - ハマりました！更新楽しみにしてます！頑張ってください！ (2020年12月30日 15時) (レス) id: 57aba539c0 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - わざわざ1ページを使って返信してくださりありがとうございます。素敵なお話だと私は思っているので、これからもお話楽しみにしてます！ (2020年12月20日 9時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪 | 作成日時：2020年12月13日 1時
