傷が導くカケラ (ページ7)

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和也side

智「ありがとねにの」

大野さんの住むマンションについた俺は

電話で呼び出した

するとその数秒後に俺の車の助手席に乗り込んだ大野さん

息を切らしていた

エントランスからここまで走ってきたんだな

大野さんも普段は知らないのに

和「いえ、じゃ行きましょう」

そう言い俺はアクセルを踏みハンドルをきった

車の中はとても静かだった

大野さんは普通自分から喋るほうじゃないし

俺もどんな会話をすればいいのかわからなかった

すると

智「でも、にのの運転って荒いよね」

と言い出した

この状況でこんな言葉は出てこない

もしかして・・・

緊張を取ろうとして・・・？

そう解釈した俺は

和「うるさい。免許取っていない大野さんにはわからないよーだ」

と答えた

智「ふふ。そうだね。じゃあ今度俺が運転する船に乗せてあげるよ。・・・５人で」

５人・・・

これは嵐を表す数字

そういえば5人で乗ろうなんて話していたな

和「だけど、俺船酔いするよ？」

と笑いを混ぜながら答えた

智「そうだね(笑)でも・・・翔くんが目覚めたんだ。だからなにかしてあげたいよ」

和「大野さん・・・」

智「最初におかえりって言おう？翔くんに。だって・・・1か月も待ったんだから」

和「そうだね。眠りすぎですよ。あの人は」

笑顔・・・でね

長く感じると思っていた移動は

いつの間にか病院の駐車場に着いていた