傷が導くカケラ (ページ6)

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和也side

買い物をしていた俺に突然届けられた一報

翔さんが目を覚ました

気が動転した俺は欲しかったゲームを買うのをやめ

車のところまで今までにないくらいのダッシュをして乗った

あのゲーム、人気で売り切れ続出で

俺の近くのゲーム屋にもなかった

探しに探してようやくみつけたゲーム

それは、大野さんの家の近くにあった

だけど、それを手放すほど冷静でいられなくなった俺は

そのまま買わずに車まできてしまった

それほど翔さんが目覚めたことが嬉しかったから

俺らしくない行動をするほど嬉しかったから

あの事件から、なんのゲームをしても面白くなかった

個人の仕事しかないので休みの日が多かった

何度も翔さんが眠る病院に足を運び

話しかけたりしながら翔さんの帰りを待っていた

それから1か月待ちに待った瞬間

俺は急いでシートベルトをしめてエンジンをかけようとした

その時ふとよぎった大野さんの顔

マネージャーが自分達の足で先に行ってくれと言っていた

だけどあの人は免許を持っていない

・・・どうせ家の近くだ

しょうがないから俺が送ってあげよう

大野さんの家は知っている

家にあがらせてくれはしなかったけどね

そう思い俺は大野さんの電話番号を探しタップした

智『もしもし』

でた

あの人の事だから無視するかもしれないと思ったけど

俺は冷静を装って誘った

そうしたら『いいよ』と答えてくれた

本当は俺のほうが安心するから誘ったのかもしれない

これは、大野さんに内緒だけどね