傷が導くカケラ (ページ41)

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潤side

今日は街に買い物に来ていた

目的はもちろん翔くん

翔くんの好きなロールケーキを買ったんだ

たこ焼きにロールケーキ入れて美味しいって言っていたからね

しかも有名な店

行列に並んで正解だったよ

翔くん、喜んでくれるかな？

あれから他人行儀な翔くん

ずっと敬語のままだ

彼が話すたびに悲しい

翔くんのはずなのに他人みたいな

潤「どうしよ・・・」

事件についても分からないままだし

テレビ局の監視カメラが壊れていたのも怪しい

あれは犯人が人為的に起こしたのだろう

じゃなきゃあんな偶然ありえない

潤「・・・それにしても今日は人が多いな」

東京だから人が多いのは当たり前

うるさい話し声も別に嫌いじゃない

生きているって実感するんだ

潤「はぁ・・・」

さてと、翔くんが待つ病院に行くか

「松潤！」

潤「え？」

今、松潤って・・・

しかも翔くんの声で

でもあたりを見渡しても声の主はいない

潤「・・・はは」

俺、ついに幻聴が聞こえたんだな

いつものように名前で呼んでほしいと願う翔くんの

潤「寂しいんだな俺」

俺らしかないじゃないか

いや、逆に俺らしいのかも

寂しがりやだから

いつのまにか濡れていた目尻を拭き取り

俺は翔くんのところに向かった