傷が導くカケラ (ページ36)

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和也side

「それじゃあよろしくって櫻井さんにお伝え下さい」

智「分かりました。ありがとうございます」

いい人だったな

あの管理人さん

それに管理人さんの話で分かった事がある

それは

和「警察。ここに捜査来てないみたいだね」

雅「え？」

管理人さんは報道で出した

体調不良の話を持ち出してきた

つまり、詳細を知らない事になる

しかも俺らの質問の意味を分かっていなかった

これは警察が来ていない決定的な証拠だ

智「・・・テレビ局だけ調べて他は捜査していないってわけね」

潤「関係ないと思ったのか、はたまた捜査が出来ない状況だったのか。どうなんだろうな」

和「さあ・・・とにかくこれは俺らが思っている以上に厄介かもしれないね・・・あれ？」

エレベーターから降りてくる人

もしかして

和「あの・・・もしかして棚畑倫太郎さんですか？」

棚畑「え・・・あ、はいそうですよ」

やっぱり

雅「なににの。知り合いの人なの？」

和「違うよ。学者さんで今度番組で共演する人だよ」

俺がレギュラーで出ている番組にゲスト出演する棚畑さん

その回はいろんな学者さんを呼んで

実験をしたり衝撃的な映像をみたりするんだ

和「番組で会える事を楽しみにしています」

棚畑「私もですよ。あの国民的アイドルの二宮さんと共演なんて夢みたいですから」

潤「・・・もしかして棚畑さんもこのマンションにお住まいで？」

棚畑「えぇ。最近引っ越して来たんですけどね」

そういえば学者さんも住んでいるって言ってたな

棚畑「では、私はこれで」

棚畑さんはお辞儀をすると

頑丈なドアを開け外に出て行った

智「・・・じゃ、翔くんの部屋に行くよ」

マンションにしては広めのエレベーターに乗り込んだ