傷が導くカケラ (ページ30)

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和也side

あれは突然だった

動きの確認をしていた時

俺と翔さん以外の3人は花道を移動中

俺と翔さんはメインステージで踊る構成だった

その時

ドン！！

鈍い音が会場を響かせた

和「翔さん！？」

ステージの下にはうずくまる翔さんが

・・・俺はこの目ではっきりと見ていた

翔さんが勢いをつけて落ちたことを

理由はきっと過労だろう

俺らが忙しくなった時期で

その中でも翔さんが忙しい時だったから

病院で検査したところ

右手の親指の骨折と

腰や足の打撲と診断された

この結果を受けてコンサートを4人でする案も出た

5人で嵐なのにこの決断はもしかしたら裏切る行為なのかもしれないが

それでも翔さんには無理してほしくなかった

だけど本人はやると言い張り

結局やることに決まった

そのためその日の翔コンサートは

翔さんに合わせるセトリになった

進むにつれて辛い表情になる翔さん

見ていて辛かった

ⅯⅭではわざと面白おかしく怪我した出来事を話したが

本当はトラウマになるくらいの状況だった

和「・・・だからさ、俺分かるんだ。相葉さんがトラウマになった事を」

雅「にの・・・」

和「翔さんも辛かったはず。だって泣いていたもん。舞台裏で」

人一倍責任を感じる彼だからこその涙

言い方は悪いがその涙はとても美しかった

普段泣かない翔さんだからこそ

和「・・・だから思い出してほしいの。辛い記憶、悲しい記憶、楽しい記憶からできているのが櫻井翔だって」

雅「・・・かっこいいねにの」

和「そう？」

雅「うん。・・・そうだ。食べ損ねたプリン明日・・・っていうか今日食べよう。もちろん5人で」

和「そうだね」

少し冷えてきたねなんて思いながら

後ろを振り向くとそこには２つのジュースの缶が置いてあった

雅「これ・・・」

ふ・・・大野さんめ・・・

和「もう少しこうしていよう。このジュース飲みながら」

雅「・・・いい提案だね」

オレンジジュースはいつも飲んでいるジュースと同じはずなのに

なぜかおいしく感じた