傷が導くカケラ (ページ14)

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和也side

石田「皆さんお揃いで」

智「ええ、まあ」

翔さんを担当している石田さん

実は俺達のマネージャーの中でも

長年お世話になりマネージャーのリーダー的存在である

堺さんの知り合いだそうだ

石田「・・・少しお話よろしいでしょうか」

石田さんは翔さんを見つめ問いかけた

翔さんは無言のまま頷いた

石田「ではまず・・・貴方の名前は？」

翔「・・・分かりません」

石田「貴方の職業は？」

翔「・・・分かりません」

虚ろな翔さんは問いに分からないを連発していた

その発言が記憶喪失という事実を痛感する

石田「なるほどね・・・ちなみに今の元号は？」

翔「令和です」

どうやら自分の事は分からなくても

社会的なのは分かっているようだ

石田「・・・これで質問は以上です。結果から先にお伝えします」

質問を10個ほどした後

メモをしていた紙を閉じて伝えた

・・・結果は分かっているんだ

石田「貴方は記憶喪失です」

・・・翔さんどうして？

なんで大切な思い出を消したんだよ

笑った時、泣いた時、苦しかった時

なにもかも全部

・・・だからこそ俺はいつもの翔さんに戻ってほしい

目に光があるその時まで

その為のはやはり、事件の真相を突き止めないとだな