傷が導くカケラ (ページ2)

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智side

智「え？本当！？」

『はい。櫻井さんが目を覚ましたと先程病院から連絡がありまして。なので今すぐに病院に来れますか？』

もちろんと言わん限りに即答で答えた

言葉の反応が遅い俺でも

自分で即答したことに驚いた

『わかりました。他のメンバーにも伝えていますので。あと、病院には自分の足で行ってもらえますか？俺は事務所に行かないといけないので』

自分の足・・・

車の免許取っていないからタクシーを拾うしかないな

俺は「はい」と答え

スマホと財布だけを持ち出し

家の扉を開けた

翔君が目覚めた

そのことが頭にいっぱいだった

あの事故から1か月・・・

翔君は眠り続けていた

当然活動することもできなかった

世間には嵐の無期限の活動休止と

翔くんが病で闘病中とだけ伝えていた

突然のことに世間は俺らのことを大きく取り上げた

正直いって自分でもびっくりした

まさかここまで大きくなるなんて

今まで本気で生きて本気で悩んで

そして笑顔でいたこと

そのおかげだと心から思った

とはいえどんな病気なのか

どんな状態なのかは伝えていなかったため

様々な憶測が飛び交った

でも本当は病気じゃない

俺もわからないんだ

わかることは

翔くんが屋上から落ちて意識不明の状態が続いたことだった