【WT】黒い瞳に光を映して (ページ39)

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そんな所にも入っている彼は俺が国から逃げたという王も知らない事実を勿論、知っているわけで

az〈その後の生活どうだ??殺されてないか??〉

ao「まぁ、WT国へ暗殺しに来た奴は何人も殺してやったよ。」

az〈流石、アオ君〜!!容赦ないね。〉

普通、知っているのなら電話をしない方が俺等の為なのにそれでも電話を掛けてきたという事は何かあったという事なのだろう。

ao「…で??我々の団長様は何の情報提供に電話を掛けたんだ??」

az〈そうだね〜…本題に移ろうか。〉

その言葉と共に先程までヘラヘラしていたアザゼル先輩も声が低くなるのが分かった。

az〈Aを守りに行ってやれ…暴君が動き出した。WT国を落とすために。〉

ao「…そりゃ嫌な話を聞いたな。スパイを送ったのは何人だ??」

az〈う〜ん…ちょっと待ってね。〉

こいつは何処までも先が読めてるのかと思う程につい先程、Aが君主達の傍へ行った事を思い出す。

az〈あった…ってか、国を捨てる気か彼奴……〉

基本、王には忠実であった彼がそう言うという事は相当な人数なんだろうとこれから言われる数を覚悟した。

az〈第四騎士団のほぼ全員。君達がそっちに行ってから急に人数を増やしだした理由はこれか…〉

ao「…何人来るのか教えて欲しい。」

az〈…大体、24名だね。しかも名前見てたら全員、あんな王に絶対的な忠誠を誓った子ばかりだよ。〉

ao「は??」

az〈後、Nakamu様、きりやん様の暗殺計画に24名中10名が加わってる。〉

その時、俺は本能的に彼等を護らなくてはいけないと思った。

例え彼等がどんな奴等でもAが笑って過ごしてくれるのならそれでいい。

az〈…俺、見落としてたわ。〉

ao「なんだよ、珍しいな。」

az〈…明日の昼に決行。これは決定事項であり、逆らうことは決して許されない…だそうだ。〉

…成程、やるなら早めにってか…

俺、城の地図持ってたっけな……

ao「…あったわ、城内の地図。」

az〈…そろそろ時間だ。ごめん、何もできなくて。〉

ao「…情報提供ありがとうな。」

彼に今出来る精一杯の感謝を伝え、これからの事を計画に練っていく。

その日は一睡も出来なかった。
否、寝る気が無かったのだ。

今、俺に出来る事は隠れている暗殺者の殺害のみ。
彼等に気付かれず、誰だろうと味方を容赦無く殺す。
その後はわざとカメラに映り込み、俺の存在を知って貰ってそこから彼等に情報を渡そうと決意した。