【WT】黒い瞳に光を映して (ページ36)

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『スマイル様……』

sm「何??」

『変なお薬でも飲みましたか…??』

sm「飲んでねぇーよ!!」

少し意地悪っぽく笑う私に無表情で私の頭を少し小突くスマイル様。

これも懐かしいと嬉しく感じてしまう程、私は彼等を親密な関係だと思っていたのだろうか??

sm「お前、愛されすぎだろ。」

スマイル様が見つめる先には、いつの間にか喧嘩になっている6人の姿があった。

何の会話をしたらそうなるのか気になって、盗み聞きしてみると大半が私の話でいっぱいだった。

broooock様は、恋人だからと
Nakamuは、自分が貰うと
それに対抗して、アオが渡さないと
シャークん様は、強いから一緒に鍛えたいと
きりやん様は、医学に詳しそうだから来て欲しいと
きんとき様は、スマイルが独占してると

その瞬間、全員の顔が此方に向く。

sm「やっべ……」

Na「オイ、待てや!!スマイル!!」

kn「待て待て待てぇ〜!!」

sh「逃げれると思うなよ??」

ao「蛮族……」

br「スマイルに何もされてない??」

kr「怪我してない…!?大丈夫!?」

片方はスマイル様を追い掛け、もう片方は私を心配してくれる。

アオが蛮族だと思ってしまうのも何となく分かる気がする。

『私は何もされてないですよ。』

まるでこの国の最高権力者達だとは思えない子供っぽい行動が可笑しくて笑ってしまう。

br「笑った!!」

私が笑っただけなのに今にも耳と尻尾が見えそうなbroooock様は大きな声で嬉しそうに笑っている。

br「やっぱ、Aは笑顔が1番だよ!!」

何だか恥ずかしくて…でも、嬉しくて……彼を見てると胸が苦しくなる。

kr「あ〜!!broooockがAを口説いてる〜!!」

抜け駆けは許さないと言わんばかりにbroooock様の横っ腹を肘で突くきりやん様。

(sm「お前、愛されすぎだろ。」)

その意味がようやく、分かった気がする。

もう、必要無いんじゃない??

『……broooockｯ!!きりやんｯ!!』

過去に友であった…今はもう、この小さな手ですら届かなくなった彼等の名前を呼び、2人を抱き締める。

『会いたかった……!!ずっと、ずっと!!』

突然の事で驚きが隠せない2人は目を見開いたが一瞬で理解し、私を抱き締め返してくれる。

br「僕等もだよ!!気付かなくてごめんね…」

kr「大きくなったね。これからは、ずっと一緒だから。」