【WT】黒い瞳に光を映して (ページ2)

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次の日、私がお店へ行くとそこには珍しく常連のお客様以外の方と話話す店長の姿があった。

店長「あ、おはよう。早く着替えて彼の接待宜しく〜」

この人は、滅多に仕事をしない。
私が来る前、平日でも店を開ける事はほぼ無かったそうだ。
たまには真面目に働いて欲しいと心の底から思っている。
暫く棒立ちをしていた私を見ていたお客様は、少し苦笑いをしていた。

折角、来て下さったお客様にも申し訳ないと謝罪をし、急いで店の服に着替え、お客様の居るカウンターへと足を運ぶ。

『始めまして、ここで働いているA・Aと申します。
先程は、店長が申し訳ございません。』

「顔、上げてよ。僕は大丈夫だからさw」

彼はそう言うと「君も大変そうだね〜」と笑いながらそう言った。

先程から彼を見ているが、この辺では見たことが無い顔だ。
赤茶色の髪、透き通った青い瞳、そして……

「え、何??何で僕の事、そんなに見てるの〜??」

『へぇ…??あ、すみません…この辺では見た事が無い顔だな〜…と思いまして……』

「うん…まぁ…ちょっとね。気持ちを休ませたくて歩いてたら、ここに来ちゃったんだよね〜」

『そうなんですね〜…失礼ですが、何処からいらっしゃったんですか??』

あ、またやってしまった。
この辺に住んでいない方がこの店へやって来る度に心配になって、直ぐに聞いてしまう…そんな癖が付いてしまった。
普段なら、嫌がられてしまうが彼は親切に教えてくれた。

「ここから、とっても遠い所だよ。僕はそこでお店を開いててね〜」

そう言う彼は、とても満面の笑顔で次々と話出す。
そんな彼を見ながら、私は相槌を打つ。
これがいつもの日常……誰かの自慢話や知らない誰かの愚痴を嫌々、聞かされる事が多いが今回は少し違った。

ふと、時計に目をやると大分話し込んで居たのか、私が店に来てから2時間ほど時間が過ぎていた。

「あ、もうこんな時間なんだね。」

私が時計を見た為か、彼も後ろに飾られている時計を見て席から立ち上がった。
そんな彼は少し残念そうな顔をして

「また、来るよ。Aさん、今日は有り難うね。」

そう言ってお金を払い、扉を開けてまた何処かへ向かって行った。