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は〜面白かった、なんて言って切れ長の目から涙を拭うAくんに「早く行かなきゃ遅刻するよ」とフェンファンと声をかける。待ってや、と言って込み上げてくる笑いを押し殺すように下を向いて歩くペースを上げるAくんの姿に「てか、白い薔薇？ってなんか意味あるの？」と声をかけると「あーそれはね、」と恥ずかしそうにその花言葉の意味を俺たちふたりに教えてくれて。
渡辺Aくん、釘付けだった。未経験とは思えない歌声に、未経験とは思えないオーラで。日本のアイドルも、韓国のアイドルも知ってる俺が、あの日からずっと、目が離せなかった。
再評価でAクラスに上がってきたナベくんを見て自分の心臓が大きく脈打つように感じた。KENZOさんが退席してからグイグイと話しかけると少し引き攣った顔で相槌を打っていたナベくんの顔を未だに思い出せる。征哉くんに「Aって人見知りだから、それくらいにしておいて」と言われ静かに闘志を燃やしたのも懐かしい。そこから同じ曲やろうね、と話していたのに中々一緒に作り上げることは出来なくて。コンセプト評価が終わって初めてナベくんが落ち込んでいる姿を見た。
「ナベくん？」
「…………ん？あぁ、たじ」
やっほー、と宿泊先であるホテルの非常階段の数段上に座ってひらりと手を振るナベくんに同じように手を振り返して隣に座った。お互い何も口を開かず数分が経って「俺、センター出来てた？」掠れた声でそう言ったナベくんの手元に視線を向けると震えていて咄嗟にその手を握りしめた。
「え、」
「出来てたよ、ちゃんと。」
驚いて目を大きく開けるナベくんの目の奥に語りかけるようにそう言うとじわり、と涙が滲んできたのを見て焦って袖口で拭う。
今回のコンセプト評価で初めてセンターに立候補したこと、選ばれたものの自分に惹き付けられるほどの魅力を感じなかったこと、結果的に1位にはなれなかったこと。
吐露するようにぽつり、と話し出すナベくんの背中を摩ってなんだかやるせない気持ちになる。グループ全体でもベネフィットを貰って、個人としてもベネフィットを頂いた身の俺がなにか言及していいものなのか。どう声をかければいいかわからなくて考えを巡らせる俺に申し訳なさそうに「こんなこと話してごめん、一緒に戻ろっか」向こう、と言って立ち上がろうとするナベくんの手をぎゅ、と引く。
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お米(プロフ) - お話素敵でした！これからも楽しみです！あとオリ/フラついてしまってます...💦 (12月26日 14時) (
レス) @page1 id: 1a788f23e1 (このIDを非表示/違反報告)
173(プロフ) - コメントありがとうございます…！お待たせしてしまい申し訳ございません、楽しんでいただけますと嬉しいです¨̮⃝ (12月20日 9時) (レス) id: e6330a4b68 (このIDを非表示/違反報告)
マナ(プロフ) - お話拝見させていただきました！本当に面白くて好きです更新楽しみにしてます！ (12月14日 17時) (レス) id: 4a9e06878c (このIDを非表示/違反報告)
173(プロフ) - コメントありがとうございます。とても励みになります…！ぜひこれからも拝読頂けると嬉しいです。 (12月1日 9時) (レス) id: e6330a4b68 (このIDを非表示/違反報告)
みに(プロフ) - なんかもうめちゃくちゃ良くて最高でした…また更新されるのが楽しみですᐡ ߹𖥦߹ ᐡ (11月30日 19時) (レス) @page13 id: cd7c74c237 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：173 | 作成日時：2023年11月27日 8時
