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収録が終わってから柾哉と洸人にはこっぴどく叱られて、「でも俺はここが似合うと思ったから」と逃げたように笑って。ふたりはそれからは何も言わずに、お互い頑張ろうって俺の背中を1回だけ強く叩いて。
3人揃ってデビューが決まった日にはもう我慢しないって約束して、そう言われて。それに対して俺は「良い作品を作るためなら妥協しないよ、俺がどう扱われても。」とあの日と同じように笑って。それに物言いたげなふたりもあの日と同じように言葉を飲んではいい作品ばかりを作ろう、と誓いあって。
「だから俺はセンターにもこだわらないしパートにもこだわらないよ。俺のハモりが良いって製作者さんが思ってくれたなら、それに応えるだけで。」
気付いたら2人に話しているとは思えないくらい小さな声で独り言のように呟いていて、自分の視線が次第に下がっていたことに気付きそれと同時に網には山ほど頼んでいた肉など無くなっていて、相当深いことを話してしまったんだなと察する。
視線を上げると俺の前で言葉を選んでいるかのように複雑な表情をした匠海の姿が見えて。きっと元々活動していたからこそわかる苦悩なんだろうな、とか。
「……失礼かもしれないすけど、ナベくんは、ファンの気持ちって考えてますか？」
沈黙を破ったのは意外にも京ちゃんだった。"ファンの気持ち"、そう言われてハッとする。俺が悩ませていた相手はファンの声ではなく、数人の反対意見の声で。
"デビューして恩返し出来るように"そう言葉を連ねていたのにいつの間にか反対意見ばかり目に入って、傷つけていたのかもしれない。俺をアイドルにしてくれた皆さんを、そう考えれば自分がすごくやるせなくて、悔しくてたまらない。
「京ちゃん、ありがとう、匠海も。」
重大なことに気付かせてくれたふたりに今日は俺の奢りでいいから、と言うと目を輝かせて遠慮など知らないかのようにタブレットを操作する。電子音が有り得ないほどに響き渡り、笑ってしまう。お易い御用すよ！なんて親指を立てる匠海に、それを横目で見て真似する京ちゃん。「ほら！呑みますよ！ナベくんが遠慮しなくなった記念日！」やらなんやら言って2度目の乾杯をしては2回戦と称して届いたタンを網に乗せた。
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お米(プロフ) - お話素敵でした！これからも楽しみです！あとオリ/フラついてしまってます...💦 (12月26日 14時) (
レス) @page1 id: 1a788f23e1 (このIDを非表示/違反報告)
173(プロフ) - コメントありがとうございます…！お待たせしてしまい申し訳ございません、楽しんでいただけますと嬉しいです¨̮⃝ (12月20日 9時) (レス) id: e6330a4b68 (このIDを非表示/違反報告)
マナ(プロフ) - お話拝見させていただきました！本当に面白くて好きです更新楽しみにしてます！ (12月14日 17時) (レス) id: 4a9e06878c (このIDを非表示/違反報告)
173(プロフ) - コメントありがとうございます。とても励みになります…！ぜひこれからも拝読頂けると嬉しいです。 (12月1日 9時) (レス) id: e6330a4b68 (このIDを非表示/違反報告)
みに(プロフ) - なんかもうめちゃくちゃ良くて最高でした…また更新されるのが楽しみですᐡ ߹𖥦߹ ᐡ (11月30日 19時) (レス) @page13 id: cd7c74c237 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：173 | 作成日時：2023年11月27日 8時
