甘い ページ14
「んー…あー…」
朝から感じた違和感は気の所為ではなかったようで、昼前に突如ズキズキと痛みを増す喉に一刻も早く治るように、といつ医者に処方されたか分からないトローチを口に含んだ。きっと、今俺が喉を痛めていることを知ってるのは今朝少し咳き込んだときに隣にいた京介と匠海。2人とも明日のレコーディングの心配をしていて今日は早く切り上げて寝なよと声をかけてくれた。
今日はレッスンというか自主練が主体だからいつも残っている俺を心配しての言葉なんだろうな、と少し心が暖かくなると同時に情けなくもなる。そんなことを考えていたらなんだか体が重くなってきたような気がして2歩、3歩と後ろに下がってはスタジオの壁に背をもたれて座った。
「大夢、こっち」
そう言って俺の前に立ったナベくんに手を引かれてスタジオの外に出る。…もしかして気付いてた？いつから？なんてことがぐるぐると頭を巡って、立ち止まったナベくんの肩に軽く頭をぶつける。咄嗟に出たごめん、の一言は自分でもわかるくらいにか細い声だった。
「病院行こう」
「え、でもナベくん、」
有無を言わさない、とでも言いたげな目で俺に目線を合わせては頭に手を乗せ空いている左手で携帯を操作している。ポケットからはチャラチャラと鍵とキーホルダーが当たった音が頭に響く。京介に荷物持ってきてもらうから、と携帯をポケットに突っ込めば俺にまた目線を戻す。
「いつから？すぐ気付けなくてごめんな」
「ん、朝から、俺も言わなかったし…」
優しさに触れ、涙が出そうになるのを咄嗟に俯いて隠す。ナベくんはいつだって優しい、みんなに優しいけど俺にはきっと二割増で優しい。俺がそう思いたいだけって言われるとそうなのかもしれないけど。
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お米(プロフ) - お話素敵でした！これからも楽しみです！あとオリ/フラついてしまってます...💦 (12月26日 14時) (
レス) @page1 id: 1a788f23e1 (このIDを非表示/違反報告)
173(プロフ) - コメントありがとうございます…！お待たせしてしまい申し訳ございません、楽しんでいただけますと嬉しいです¨̮⃝ (12月20日 9時) (レス) id: e6330a4b68 (このIDを非表示/違反報告)
マナ(プロフ) - お話拝見させていただきました！本当に面白くて好きです更新楽しみにしてます！ (12月14日 17時) (レス) id: 4a9e06878c (このIDを非表示/違反報告)
173(プロフ) - コメントありがとうございます。とても励みになります…！ぜひこれからも拝読頂けると嬉しいです。 (12月1日 9時) (レス) id: e6330a4b68 (このIDを非表示/違反報告)
みに(プロフ) - なんかもうめちゃくちゃ良くて最高でした…また更新されるのが楽しみですᐡ ߹𖥦߹ ᐡ (11月30日 19時) (レス) @page13 id: cd7c74c237 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：173 | 作成日時：2023年11月27日 8時
