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天文部は吹奏楽部顧問とおんなじ顧問らしい。うちは吹奏楽がすごく有名で、力を入れているからなぜか天文部も思ったより綺麗な部室、………らしい。先輩が部活紹介の時にそう言っていた。
部室の前で、配られた天文部のプリントを持って佇む。やべー、誰もいない。どうしよう、………帰るか？
「あれ？もしかして………」
声のした先に振り返ると、そこには先輩が驚いた顔をして立っていた。
「入部希望？！かなあ……！？」
パァァと効果音が鳴りそうなほど嬉しそうに俺にニコニコ笑顔を振り撒く彼女。かわいいな、頬が緩む。
m「…………へ！？あぁ………見学、希望で。」
「あーー！見学か。そっかそっか。今日はね、ギャルのまみちゃんいないけど大丈夫？今日は多分私だけだけど、いい……のかな？」
m「アッ！もちろん！大丈夫です！」
思わず食い気味に返してしまう。これじゃ、俺、めっちゃ先輩のこと好き、みたいだろ……
「ふふ、もちろんってうれしいな。部室開けるから入って！私しかいないけど、なんでも聞かれたら返せるから。」
扉が開いて、部室に入る。本がいっぱいあって、なぜか寝るスペースみたいなのがあって山ほどクッションもある。小さい冷蔵庫まであってここで人が住めるだろ、みたいな本当に綺麗な部室。真ん中の椅子に座らせてもらう。
「あ、そういや、名前聞いてなかったね！何くん、なんだろう。」
m「あ、中村………です。」
「そっか！中村くんかあ。わたしはAって言うから好きに呼んでね。緊張しないで大丈夫だよ、私にはなんでも聞いてね。」
そう言って笑う先輩は、可憐で、綺麗だと感じた。………これはモテる、だろうな。
そこからは他愛のない話をした。俺が陸上部と掛け持ちしようとしてること、出身中学、趣味とか好きな音楽とか。とにかく先輩は優しくなんでも聞いてくれた。あっという間に時間は過ぎた。
「中村くん、おもしろいね。」
m「面白かったっすか！？」
「うん、面白かったよ。………また話せたら、うれしいなあ。」
「ごめん！無理に勧誘とかじゃないよ！気負い過ぎないでね！ここには天文部じゃない人もよく溜まってるから天文部じゃなくても………「俺！」……？」
m「やっぱり入部希望で。」
少しだけ悲しそうな顔をする先輩に咄嗟に口に出た言葉がそれだった。………今でも、後悔していない。
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作者名：抹茶ふらぺちーの！ | 作成日時：2023年9月6日 3時
