⭐︎ ページ9
…
【Meychan side】
先輩を好きになったのは、高校入学当時。
部活紹介の時に、ギャルに背中を押されて照れくさそうに出てくるA先輩からなぜか目が離せなかった。それは他の男子も同じだったようで教室に帰るとその話題で持ちきり。ギャルと先輩の話。
『えー？あの先輩かわいくね？俺天文部入っちゃおうかな〜』
『俺は全然あのギャルでもいいけど！』
……………バカだなあ、なんて聞き流して。俺は陸上部に入るって決めていたし、きっと先輩はモテる。俺と先輩は交われない。
『でも先輩、彼氏いるらしいぜ？』
『は？マジかよ、ショックなんですけど。』
ホラ、やっぱり。みんなが目を引く彼女は彼氏の1人や2人………
『おい、中村。お前陸上部入んの？』
m「うん、そのつもりだけど。」
『みーんな、あの先輩の話してるな。』
苦笑いしてるのは彼女持ちで余裕かましてる俺の中学からの友達。そりゃそうだろ、あんだけ可愛かったらな！と言いたいところをグッと堪える。
『あ、噂をすれば。』
指を刺した先には先輩と………いかつい男、2人？
『………なにあれすっげ、誰も近づけねえーじゃん。』
m「すっごいな、アレは。」
それがあの2人を見た時の第一印象。とにかく怖くて、ふざけた男が天文部に入れなかった理由も多分それ。
『なあ、お前さ、天文部入りたいんだろ？』
小さい声で聞かれる。
m「ハァ！？お前！んなわけ…！『あるだろ』………」
『図星じゃん、お前先輩見惚れてたぞ。』
コイツはたまに痛いところついてくるな。
『あの先輩は、モテる。だからお前奥手とか言ってる場合じゃねえーぞ？な？』
m「んだよお前、俺は………『お前さあ〜』」
『素直になんないと、気持ちには。てかまだ先輩がどんな人かわかんないんだからまずは仲良くなんねーとな！』
m「…………………まあ、それはそうだな。」
『とりあえず見学にでも行ってみたら？天文部人少ねえーらしいし、あのバカどもはどうせあの二人組にびびっていかないだろうし。』
『お前くらいが丁度いいよ、変に肝座ってるしな。』
最後は余計な一言だったけど、確かにその通りだ。見学に行ってみて、思ってたのと違ったら諦めよう。そう思っていた。
…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 126人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：抹茶ふらぺちーの！ | 作成日時：2023年9月6日 3時
