⭐︎ ページ5
…
【nqrse side】
いつ出会ったかなんてわからない。何年前かわからない赤ちゃんの俺とアイツが映ってる写真が家に置いてある。
偶然、家が隣だった俺らは偶然同じ年に生まれた。親も親で仲良くなって盛り上がってしまって、今でも仲良し。互いの家を行き来することもあるし、当たり前みたいに両家でバーベキューも開催される。漫画の設定みたいな幼馴染だ。
……………いつ、アイツを好きになったのかも覚えてない。しょうみ。
ずっと、俺の隣にはAがいた。Aが自転車でこけて大泣きで帰った日も、なんだか先輩に告白して振られた日も、ゲームで俺が全勝して何故か俺がアイス買いに行かされた日も鮮明に覚えているのに。いつ彼女を意識し出したのかだけ全く覚えていない。
それでも気づいたら好きだった。ホント俺って単純だな、と思う。それでも、君を手放したくない。
お前の隣が似合うのは俺だよ？ぜっっっったい。
って心の中で悪態吐く。バーカ、なんで気づかねえの？ってずっと思ってる。
…………まさに今目の前で、少しだけ悲しそうな顔をする彼女にイライラした。わかりやすすぎる、げろさん意識しすぎ。
n「星の話、教えてや。」
突然のことに、驚いた顔をするA。
「なるせ、星興味ないじゃん。全然。」
彼女の星を見る目が好きだ。星には興味はないけど。
一度だけ聞いたことがある。夜ベランダに出たら彼女がいて、なんで星が好きなのか興味本位で聞いた。
『ずっとそこにいてくれるから。』
そう言う彼女が見たこともないくらい綺麗だったことを覚えている。
n「興味は！ないけど！星の話！しろ！」
「ふふ、なんで命令形なの？ホラ、今は6月だからこのページだよ。」
ペラペラとページを捲る。興味はなくても、星が綺麗で幻想的なことくらいはわかる、流石に。
n「…………綺麗やな。」
「うん、やっぱり綺麗だよね。」
「…………あ、これがデネブで、これがアルタイル。………で！これがベガ。」
彼女の綺麗な指で星をなぞって。
「これくらいの時期に綺麗に見えるよ、見に行きたいなあ。」
n「七夕、あたり見に行く？」
「えー！？いいの！？なるせ！」
n「………うん、ええよ。たまには。」
「やったー！あらきさんも行こ！」
また一つ思い出が増えそう。
…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 126人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：抹茶ふらぺちーの！ | 作成日時：2023年9月6日 3時
