【anm】星が降る夜、君に会えたら【Gero】 (ページ26)

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【meychan side】

m「…………Aちゃん、喜ぶかなあ。」

スマホ画面の君の好きだった人の名前を見つめて、ため息を吐く。

あらきさんのBARにいるって言われたから行ったのに、彼女はもう泥酔していて話すにも話せなくて泣く泣く家に帰った。

…………げろさんもね、なんだかんだAちゃんのこと忘れられてない、そんな気がすんだよねえ。

げろさんとライブで一緒になるたびにA、元気か？って聞かれるし、それはきっとあらきさんもなるせも同じ。

……………Aちゃんは気づいてないけど、俺たちはみんなおんなじ歌い手、って職業になった。前げろさん、歌い手になったよ。ニコニコ動画に歌を…って言ったらAちゃんに「………にこにこどうが？」と訳がわからないみたいな困った顔で見つめられて、説明するにもできなかった。

なるせは一緒に住んでんのに、どうやって隠してんの？って聞いたら『インターネット関連の仕事してる、とだけ言ってる』って言ってたし、………マジで疎いんだろうな、そう言う関係のことに。

m「…………ハァ、なんで俺げろさんのこと手伝うみたいなマネ………」

ずっと引きずっているであろう彼のことをもう断ち切ってほしかった。会えば、もうその未練は断ち切れる？

…………いや、もっと好きになるのかな。

あれから俺らは大人になった。まだ俺は大学生だけど。たまーにAちゃんと2人で飲み行くようになった。距離も縮まって、先輩からAちゃんとまで呼べるようになった。

m「………なんで、俺じゃダメなの。」

情けない言葉が小さい部屋に響く。

変わらずずっとアタックし続けてるけど、一向に振り向いてくれるなんて気配ない。絶望的な片思い、だな。

ふと思う、この恋愛に終止符を打つのは誰なのかなんて。Aちゃん自身？それともげろさんかな。もしかしてなるせ！？あらきさんもあるな、なんて。

…………君は誰を選ぶんだろう。それが俺だったらな、って淡い期待を抱いて。

m「…………俺選ばないとか、センス悪いっしょ。」

無理やり強引に自分自身に言い聞かせる。そう思えるように、努力しなきゃな。

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