【anm】星が降る夜、君に会えたら【Gero】 (ページ24)

今日:6 hit、昨日:2 hit、合計:7,271 hit

⭐︎ ページ24

…

【nqrse side】

ねぇ、A。俺がkjとまだ関わりがあるって知ったら君は怒るのかな。

あらきを下ろして、おんなじ家にAと帰る。助手席ですやすや寝ている彼女の横顔をチラッと見て、ふと思う。

Aはすごくわかりやすい、誰を好きか何が苦手か、何をしてる時が楽しいかぜーんぶ顔に出る。高校生だった頃はきっと君はげろさんが好きなんだろうなってなんとなく俺はわかってた。けど強がってたなぁ………

彼女の背中を押したつもりだった、でも彼女は思いを言わなかった。彼を思って。………ねぇ、それは好きだよ、愛だよ。言っていいんだよ、そう思ったけど。あの日の夜、雲がかかった空を見上げてベランダで静かに泣いている彼女に俺はなんて声をかければいいのかわからなかった。

……………Aにとって、俺はただの幼馴染で同居人。1番近くにいるはずなのに、君はずっと遠くに感じて。

n「着いたぞ、A。」

彼女の肩を揺する。

「ん、ありがとうなるせ。」

少し目を開いて眠そうに笑う彼女に、ドキドキして、彼女の手を引いてオートロックの鍵を開ける。

うちの親もアイツの親も、本当心配性だなぁってオートロック完備！5階角部屋！セコム完備！の部屋を見て2人で笑ったのを思い出す。

「ね、なるせ。」

n「んー？なに？」

「みんなでいるの、楽しいね。」

そう言って幸せそうに笑う彼女に『そうだな』って頷くことしかできない。げろさんがまあ、ほぼ？彼女の前から姿を消してから彼女は前より弱くなった気がする。

「あー！もう玄関！」

n「ホラ、入るよー？今日はもう寝んの？」

「んー！寝る。」

n「じゃ、化粧落としてから寝な。」

「うん、そうするね。おやすみなるせ。」

n「ん、おやすみ。」

彼女とは廊下で別れて、自室に入る。

バタバタ洗面台に向かう足音を聞いて、ベットに倒れ込んだ。天井を見つめる。

『好きだよ』なんて言えない。彼女にはきっと気づかれないんだろうなぁ……少しカーテンを開けて夜空を見上げる。夜中の心地よい澄んだ空気と、無数の星。

n「ずっと、そこにいてくれるから、ねぇ…」

彼女が言ってた星を好きな理由。俺はずっとここにいるのにな………なーんて。星屑に混ざって、この思いを君は見つけ出せない。

…