⭐︎ ページ15
…
ま「今日雨なのマジ最悪なんですけど〜せっかく笹も飾ったのにさあ〜！！！」
机に突っ伏したまみちゃんの言う通り、やっぱり生憎の雨。それでも今日は天文部が全員集まっている。
ま「…………で、なんでコイツ今年もいんの？」
n「………うるせ！お前、金髪色落ちすぎ！」
ま「え？マジ？染め直しもしなきゃじゃん最悪ぅ。」
…………なんだかんだ、気が合うみたい。
ま「ええ〜！あらきさんは素敵な色ですね。髪！」
a「えっ、ホントっすかー？嬉しいッス。」
n「…………お前、露骨だな。」
ま「当たり前じゃん！あらきさんはカッケーもん！」
まみちゃんは誰とでも仲良くできる、げろさんの次にコミュ力MAXの人間。すごい。こんなわたしとすら仲良くしてくれる。所謂、ヲタクに優しいギャル、に近い存在。
ま「Aは染めないの？」
「うーーーん、わたしはねえ……黒が落ち着く。」
ま「えー！そっかあ、黒も似合ってるけどね。かわいい。」
髪色の話で盛り上がっていると、突然げろさんが口を開いた。
g「……………なあ、今日学校帰りさあ、暇ちゃう？」
「……………え、今日？ですか？わたしは暇です。」
ま「ねえ〜わたしは今日はダメ！家に帰らないと！」
n「俺はいけるよ〜あらきさんは？」
a「俺！？俺っすか？俺もいけなくはないっすね。」
m「はーい！はい！俺もいけます！」
「…………何するんですか？」
げろさんに視線が集まる。
g「今日、星、見にいけへん？」
その一言に、時が止まったように静まり返った。
「「「「星！？！？！？！？？？」」」」
「……………へ、でも星って言っても今日は雨だし…その〜………」
g「さっき天気予報確認したら隣町雨のち曇りのち晴れって出てて、兄ちゃんにも確認したらギリ見れそうってきて………」
g「……………そのー、ほんまもしかしたら、やねんけど俺みんなと星見れるのも最後かなって思ってさ。………賭け。」
伏し目がちな視線にげろさんにしては辿々しい口調。しんと部室が静まり返る。
ま「えーーー！！！いいじゃん！A行ってきなよ！！！！！」
ま「きっと綺麗な彦星と織姫様が見れるよ！A！」
口を開いたのはまみちゃん。背中とトンっと押される。
寂しげに笑ってこちらを見つめるげろさんに、わたしは頷くしかできなかった。
…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 126人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：抹茶ふらぺちーの！ | 作成日時：2023年9月6日 3時
