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…
いよいよ、七夕目前。明日、七夕。
…………あの後はなんとか普段通りに短冊をげろさんと選別した。げろさんはずっと面白い話をしながら選別してたなあ。
窓の外を眺める、生憎の天気に明日は絶望的だろうなあ、と小さくため息をついた。…………明日くらいは、晴れてもよかったのに。
n「なあ、」
「………！？なに。」
n「お前、なんかあったろ。」
心配そうになるせが私を覗きこむ。
「んーーー！？なんでもないよ。」
n「………俺の目舐めてもらっちゃあ困るな。あらきも心配してたぞ。」
「………え、なに？そんなに顔に出てる？「うん、モロ」………やめてよ。」
n「なになにー？俺らに言えない話ですかあ？」
「いや、明日雨そうだなあって。ホラ、去年もやった短冊の選別もしたしさあ。明日飾る用の笹ももう昨日には届いてげろさんとまみちゃんと届いてた分は飾ったからさ。もったいないなあって……」
n「…………ふーーーーん、そういうことねえ。」
うそ、それももちろん残念なんだけど。気がかりなのはげろさん、で。天文部の大きなイベントは七夕、でそれが終わるとほとんど特にイベントはないから8月には先輩は部活を卒業してしまう。
…………あの雰囲気じゃ、きっと部活を卒業したらげろさんは…………
喉の奥が詰まる感覚がする。胸が苦しい。
n「………Aは、なんてお願いしたの？」
納得してなさそうななるせが私に問いかける。
「…………わたし？わたしは………」
「内緒！」
…………ほんとは、何にも書いていない。
私の本当の願いはきっと酷くて、あの人の夢の足を引っ張る願い。だから言葉にも文字にもしないように、心に秘めるだけで、なかったことにしようって。
n「……………そんなこと言われたら気になるヤツじゃん。」
「へへへ、内緒だよ。………なるせは？何書くの？ゲーム？」
n「俺はねーーーーー…………俺も秘密。」
「えーーー！！！なんで！！教えてよ。」
n「お前が言わねえなら、俺も言わねえー！」
なるせとあらきさんと話してる時に唯一、忘れられた。げろさんがいなくなるかもしれないってこと。顔、合わせたくないけど、きっと明日はみんないるだろうしなあ。
…………離れたくない、なんて言えない。
…
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作者名：抹茶ふらぺちーの！ | 作成日時：2023年9月6日 3時
