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…
「なんとか、晴れてほしいですね。みんなの願いが叶ってほしいなあ。」
g「そやなあ。せっかく願い集めてるしな。俺がお願いしてこようか？」
「ふふ、お願いしていいですか？晴れ男さん。」
g「任せて！俺、絶対晴れにする！」
今日朝確認したら降水確率はかなり高くて、絶望的。でもげろさんが言うと、なんだか本当になりそうで。
g「七夕超えたら、俺ももう天文部卒業やわ。」
「あ、そうか。なんか勝手にずっといると………」
g「アー！俺3年！やで！」
「俺のこと舐めてる！最近の後輩は！」って文字通りぷりぷり怒ってて面白い。
「卒業しても、就職しても、いつでも遊びに来てくださいね。」
その言葉に突然、黙り込んでしまったげろさん。シンと部室が静まり返る。
g「……………Aにだけは、言うとこうかな。」
伏目がちな先輩が、少し寂しそうな雰囲気を纏う。……………良いことではなさそう。
g「………………俺、東京行くねん。」
「…………え………就職で？」
g「ううん、俺さ、歌手になりたい………ねん。」
そう言ったげろさんは窓の外を見ていて、何を考えているのか掴めない。…………そうか、夢があるんだ。
「えーーー！すごい。いいですねえ、歌手。」
「…………その夢も、叶うと良いですね。本当に。………と言うか、絶対叶いますよ。先輩なら、大丈夫！」
本当にそう思った、先輩なら…本当になんでも叶えられそうで。根拠のない自信がある、きっと先輩は叶えられるって。
g「…………笑わへんねんな、A。」
「ええ！？なんで笑うんですか。私は絶対！叶うと思います。」
「今から、サインもらっとこうかなあ〜なんて。」
…………ちょっとだけ寂しい、なんて言えないよね。
先輩の手が伸びてきて、私の頭を優しく撫でる。
g「ありがとう、ほんまに叶う気してきたわ。」
g「Aは、ほんまええ子やなあ。」
そう言ってふわっと笑う先輩に、ドキドキして、空気に飲まれそうになる。………でもどこか胸が苦しい。
わたしは、そんなに良い子じゃないのかも知れない。
…
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作者名：抹茶ふらぺちーの！ | 作成日時：2023年9月6日 3時
