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昨日はめいちゃんと長電話してしまって、寝不足。
あくびをしながら部室の扉を開く。今日はあらきさんもなるせもパス！って言われたかなしい〜。今日は私1人だ。まみちゃんもこの時期はお家がすごく忙しくて来れない。まみちゃーん！まみちゃんは、見た目、話し方こそギャルだが、情に熱く優しい。
「あーーーーー1人で終わらせるか！」
誰にも届かない独り言。天文部が一番忙しい七夕シーズンである。まあ、よその部活よりかは何倍もいつも暇なので、これくらいどうってことない。
天文部は七夕の時期に、学校が持ってくる笹にみんなが書いた短冊を飾る。生徒たち自身にやらせる学校がほとんどだけど、うちの学校は『みんなの前で書きにくい願いとかもあるから！』と謎のプライバシーに配慮されていて、書きにくい願いの場合は天文部の前のボックスに七夕前に入れてもらう。
そのボックスを一応検閲して、相応しくないものを弾く。ん〜わかりやすく言うと、〇〇が不幸になりますように、だとか、悪口とか思想強そうなものとか過度な下ネタ………とか。毎年、そんな量を弾くわけではないけど本当にちょくちょくあるので意味はある作業だと思ってる。
今日もみんなの、願い見るぞー。
設置してあるボックスを開くと、数枚短冊が入っている。七夕って本当にロマンチックなイベントだなあ、と改めて感心する。
思い思いの願いを星に込めて、叶うといいな。みんなの願い。
一本の短冊が目に留まる。
「…………好きな人と、結ばれますように。ねぇ。」
可愛い文字、無記名で、ピンクの短冊に込めた想い。かわいいなあ、………好きな人と、ねえ。
なんとなくぼーっとその短冊の文字を眺めていた。
g「A、好きな人おるん？」
「！？びっくりした！？」
突然現れた先輩。
g「………ふふふ、なあ、最近俺影薄いんけ？ぜんっぜん気づかんから入ってきてもうた！………この短冊、Aのなん？」
「……………はあ、びっくりしました！ちがうし！ボックス確認してたんですよ！」
g「アッ、そうか。もうやらなあかんなあ、短冊選抜。」
「そうですよ！もう七夕4日後です。」
g「………あ、そうか。今年は雨降りそうやな、七夕。」
空を見つめて、少し残念そうに語る先輩。
笑顔にぎゅっと胸が苦しくなって、痛い。
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作者名：抹茶ふらぺちーの！ | 作成日時：2023年9月6日 3時
