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…
『お前、結局天文部入ったの！？』
m「………………うん、入ったわ昨日。」
『はっえ〜流石だなあ。』
m「まあ、なんとなく断れなくて？」
ニヤニヤしてるコイツ、ムカつくなあ。
『てかお前、そんなこと言ってる場合か？昨日も言ったよな。先輩モテるって。』
m「えーーーーまあ、うん、そうだろうな。」
『そうだろうな、じゃねぇよ。マジでモテるらしいよ、お前ほんとに当たって砕けるくらいアタックしねえーとダメだなありゃ。』
『ま、がんばれよー！』
背中を叩かれる。その時はその言葉の深刻さがわかっていなかった。
…………ほんとに、モテる。挙句、気づいてない。てかなるせがめっちゃ好きなのに気づいてない時点で、本人の鈍感力で全部なんとかなってきたんだろうなと身に染みて感じた。
そこからは、もう無理やり先輩の視界に入るためにちょっとキザなこと言ってみたり、慣れないことをしていてみたり。でもこうでもしないと、きっと先輩は気づかない。
…………今も手には電話、誰にも電話なんてかけないのに。
「うん！いいよ、なるせ何食べるかな。もぎもぎフルーツかなあ、アイツグミ好きだしなあ。あ、あらきさんは何食べるだろ〜」
………げろさんの話で黙ったり、2人の話をしたり、この人は本当に掴めない。俺、年下だから……なんかな、眼中にないの、なんて珍しく落ち込んで。せっかく2人で出かけるのに漕ぎ着けたのに。
m「なるせはなんでも食わせときゃいいんすよ〜」
「ふふ、めいちゃん怒られるよー！またなるせに。」
m「…………そっすね。」
返事がうまくできない。
先輩がいつも気にしているなるせ、まっすぐその背中を見つめてるげろさん、いつも先輩を見守ってるあらきさん。ねえ、先輩は誰が好きなの。………俺じゃ、ダメなの？
女子たちが噂していた先輩が何人も手に掛けてる悪女とかだったら、……そっちの方がマシだったのかもしれない。好きにならないから。でも彼女はそんな人じゃない。俺が、みんなが、思うよりもっと、繊細で優しくて綺麗な人だ。
「ねえ、めいちゃんは何好きなの？」
……………ホラ、ずるいよ、先輩。
先輩につけられたあだ名も、俺に気を遣ってくれるところも全部特別に感じて……。ねえ、先輩。後輩の中で、俺は特別？
…
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作者名：抹茶ふらぺちーの！ | 作成日時：2023年9月6日 3時
