【実況者】君の彼女になりたい Ⅱ【Fj/Ky】 (ページ6)

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車内にかかっているこの炭酸が弾けるような甘酸っぱい恋の曲は、俺の隠した恋心が透けて見えるようで恥ずかしい。

…この曲、実はうっしーに聞いたんじゃないねん。Aちゃんの好きな曲、と言われたらこの曲！ってすぐ思い浮かぶくらいAちゃんが楽しそうに歌うから夜中に検索した。

本当はアイドルの曲なんて聞かないけど、彼女と「特別」がほしくて必死な想いでダウンロードした。…いつか彼女がそれに気づくといいな。

レ「あ、着いたよ。」

目的のお店に着く。Aちゃんが好きそうなこじんまりしたかわいいお店。

「…本当だ！素敵なお店。」

目的地に着いたら喜んでくれたみたいで、よかった。車から彼女をエスコートする。彼女を本物のお姫様みたいに。

「あっ、レトさん。そこまでしなくていいのに。」

甘え切れない彼女もらしいな、と思って笑ってしまう。

レ「ええの、ええの。ほら、お姫様？行くよ。」

それでも彼女もこのデートごっこ、に付き合ってくれて、うれしい。

…今だけはAちゃんの王子様でいさせてな。

普段言わないセリフがなんだか恥ずかしいが、悟られないように彼女の手を取る。その手は小さくてかわいい手だった。

店内に入ると雰囲気のいいおじいちゃんとおばあちゃんが立っていて、レビューで見た通り落ち着いた柔らかい雰囲気。彼女も喜んでるみたいで何より。

「これ！おいしいねぇ。レトさん。」

運ばれてきた料理を口に運んでキラキラした目を見せるAちゃん、かわいい。

「どうやったらこんな卵ふわふわにできるんだろう…？」

レ「Aちゃんのご飯は宇宙で一番、おいしいよ。」

「レトさんは大袈裟だなあ…でも、ありがとう。」

照れ臭そうに笑う彼女が愛おしい。本当だよ、Aちゃん。

店内に入った後も食事中も時々ぼーっとしていたのが少し気になるが、オムライスをぺろっと平げ満足そうな顔をしていたので思い過ごしだと心にしまう。

…Aちゃん、無理してないといいな。俺にはそう思うことしかできなかった。