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キヨくんから連絡が来た時、大慌てで準備をした。…Aちゃんはどんな気持ちで、どんな想いでいるんだろう。
うっしーは授業に行ったので一応伝えられた一部始終をラインに送る。すると「了解」だけの返事が返ってきて狼狽えた。…心配、じゃないのか？
そんなことを頭で考えながら、車のキーを握る。
そのまま家を飛び出して、彼女の学校に向かう。
レ「あーもう、赤信号！」
柄にもなく赤信号にイライラする。はやく、はやく…はやくAちゃんを迎えに行かないと。
やっと着いた。門の前で待っているとそれらしい陰が近づいてくるのが見える。
俺の姿を捉えて驚いた顔をする彼女。Aちゃんは一滴も泣いていない様子だったのでこちらも面食らってしまった。
…よし、じゃあいつも通り、だな。
彼女を乗せた後、車に乗り込む。
レ「今日はどっか食べに行こっか。俺の奢りやから好きなもん言うて！」
「んー、何にしよう。レトさんは何食べたい？」
思い付かないのか、考える素振りを見せる彼女。…甘え慣れてないなぁ。
こんな時も俺の気を遣って、そんなことを言ってくる彼女を今日は目一杯甘やかしてやろう、そう思った。
やっと彼女の食べたいものが決まり、そのままそこへ車を走らせる。
「……なんか、デートみたい。」
車中、思わず口から出たのかしまった！みたいな顔をした彼女を隣に乗せる。デート、…デートかぁ。その素敵な響きにニヤニヤして、バレないように自然に口を手で隠した。
レ「佐々木家のお姫様と今日はデート、な？…だから今日だけは俺に甘えてもええんやで？」
デートという甘い言葉に年甲斐もなく浮き足立つ自分をなんとか保とうとする。…これは、Aちゃんにたまには甘えてもらうための口実、そう自分に言い聞かせて。
「ほんとに？いいの？」
キラキラ笑う彼女に、胸が高鳴る。いつでも俺には甘えていいよ。いつだって君の特別になるから、俺だけには強がった顔見せないで。
……なんて言えずに。
レ「もちろん！俺はそのために派遣されたんやから！」
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作者名：抹茶ふらぺちーの！ | 作成日時：2021年7月29日 0時
