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悩んだ結果、頭に浮かんだものは美味しそうなオムライスだった。
「んー…じゃあ、…オムライス食べたい！」
レ「オムライス！ええやん！調べるわ。」
すかさず携帯を出して調べてくれる。
レ「あ、ええとこ見つけた。ここ行くね。」
ナビに必要な情報を入力して発信する。車内には私の好きな曲。……レトさんはすごいなあ。こんなにも私のこと、わかるんだ。
「これ…私の好きな曲。」
レ「あ、わかった？うっしーから聞いてん、Aちゃんの好きな曲。ええ曲やったから、俺も入れてみよって思って。」
「ありがとう、レトさん。」
レ「全然やで、これくらい。」
初めてレトさんが運転しているところを見る。横顔がすごくかっこいい。
「……なんか、デートみたい。」
思わず口から出た言葉は家族だと思ってるレトさんに言うのは何故か小っ恥ずかしい気持ちになった。聞こえてなきゃいいな。
信号に差し掛かる。
レ「デートええなぁ。」
レ「佐々木家のお姫様と今日はデート、な？…だから今日だけは俺に甘えてええんやで？」
……どれだけ、レトさんは優しいんだろう。実の兄でもない、なんなら友人の妹の私なのに。
ほぼ一緒に暮らしてるけど、…それでも、全部知ってるはずなのに何も聞いてこないし、大人だな。すごい。
「ほんとに？いいの？」
レ「もちろん！俺はそのために派遣されたんやから！」
にこにこ笑うレトさんに素直に甘えるしかできなかった。頷くとまた嬉しそうな顔をする。
レ「あ、Aちゃん着いたよ。」
「…本当だ！素敵なお店。」
こじんまりとしたかわいいお店。
レ「Aちゃんが喜んでくれてよかった。」
そう言って車を降りて私の方の扉を開けてくれる。
「あっ、レトさん。そこまでしなくていいのに。」
レ「ええの、ええの。ほら、お姫様？行くよ。」
そう言って手を差し出される。
差し伸べられた手を取ってレトさんと見つめ合うと、照れ臭そうなレトさんが私の手を引いて店内に入った。
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作者名：抹茶ふらぺちーの！ | 作成日時：2021年7月29日 0時
