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「フジくん…！」
フ「…わっ、どうしたの？Aちゃん。」
やっと見つけた彼の後ろ姿に声をかけると驚いたようにこちらを見るフジくん。
……チャンスはきっといつだって私のそばにいたのに。
呼吸を整えて真っ直ぐフジくんを見つめる。
「フジくん、あのね。」
「聞いて欲しいことがあって…」
バクバクと心臓の音が早まるのがわかる。周りがスローモーションで2人だけの世界みたいで。
…もう遠慮はしたくない。
フ「大丈夫、ゆっくりでいいよ？」
緊張のあまり喋り出せなくなってしまった私に優しく言葉をかけてくれるフジくん。大きく息を吐く。
「私、…私ね、ずっと前からフジくんのことが好きで…」
さっきより大きく目を見開くフジくん。伝えなきゃ、言葉にして。
「………今でも好き、…で。へへ、諦め悪いよね。」
「あ！でも伝えたくなっただけだから安心して！…付き合って欲しいとか、そういうことじゃ…」
フ「……本当に？」
「え？」
フ「本当にそれでいいの？」
フジくんがこちらにゆっくりと近づいてくるのがわかる。心臓の音がどんどん大きくなって飲み込まれそうになった。
そっと手を取られる。
フ「俺もずっと前からAちゃんのことが好きだよ。…先に言われちゃったけど。」
フ「俺はAちゃんと付き合いたい。…Aちゃんは？」
その手を引かれて目の前にはフジくんの顔。真っ直ぐ見つめられて顔に熱が籠るのがわかる。恥ずかしくて照れ臭くて、頭が働かない。
「わ、わたしも…」
フ「私も？」
「付き合って、ほしい…です。」
そう小さく言うと、彼の逞しい体に包まれる。「よかったぁ…」と嬉しそうに呟く彼も少し震えていて可愛らしいなあと頬が緩んだ。
君の彼女になりたい！この思いを君に。
Next ……… ？
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作者名：抹茶ふらぺちーの！ | 作成日時：2021年7月29日 0時
