【実況者】君の彼女になりたい Ⅱ【Fj/Ky】 (ページ14)

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キヨくんに起こされて慌てて集合場所に走る。…後でポカリのお金、払わないと。到着すると、近くにフジくんがいて胸が高鳴る。…お礼、ちゃんと言わなきゃ。

「フジくん！ヒラくん！おはよ。」

ヒ「あー！Aじゃん！おはよ。」

フ「Aちゃん、おはよう。」

あの日からフジくんとは何きっかけか普通に話すようになった。変に避けた方が気遣ってるような気がして、普通に『同い年の美術部員』として…話すようにした。フジくんも私と同じように接してくれてる。

「フジくん、本当にありがとう。あの旗、フジくんが描いてくれたんだよね？」

フ「Aちゃんのデザイン、本当素敵だったよ。俺なんて描いて色塗っただけだよ。全然！」

「大丈夫！」って笑うフジくん、その優しい笑顔が……ずっと。

そろそろ私の番か。

フ「Aちゃん！頑張って！」

ヒ「A〜〜頑張れよお〜〜！」

2人してにこにこ私の背中を押す。スタートラインの近くに立つとわざわざ見に来たレトさんが私なんかより楽しそうに手を振ってる。…ふふ、本当に。

レ「Aちゃーん！！！がんばれ！！！」

牛「おい！お前！ちょっと静かにしろ！」

…もう、本当、仲良しだなあ。
小さく手を振ると嬉しそうにまた手を振るレトさん。私の親は忙しくて当たり前のように行事には参加できない。それが寂しいとかそれが嫌だとかそんなことは思ったことないけど、こうしてきてくれるとまぁ…ちょっとは…嬉しいな。

スタートの合図が響く。

出だしは好調。滑り出しは良い。……あとは借り物か。

生徒「さぁ！2組の佐々木さんがくじを引く！その中身は………」

「「「「好きな人？！？！」」」」

紙を見て一時停止した。……好きな人、えっ、好きな人？確かにさっきから前の人恋人とかデートに行ったことある人とか浮いたお題が多かったけど……。

紙を見て一瞬フジくんの顔が浮かぶ。……いや、でも。

あんなにリードしていたのにここで完全に足止めを喰らう。どうしよう、どうすればいい…？周りからは注目を集めている。