【実況者】君の彼女になりたい Ⅱ【Fj/Ky】 (ページ13)

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キ「A…！起きろ！なあ！」

彼女の体を揺さぶる。ハッとして顔を上げる彼女。

「え……？今、なんの競技？」

キ「次、障害物だぞ！どんだけ寝てんだ、お前！」

「えっ？！嘘でしょ？！行ってくる！あ、ポカリありがとう！急がなきゃ！起こしてくれてありがとう！」

慌てて駆け出した彼女。横でニヤニヤするこーすけ。

こ「Aちゃんの寝顔が可愛くてまだ寝かせとこうぜ、とか言うからだぞ！」

キ「……お前もそうしよう！そうしよう！とか言ってただろ！」

こ「はい、何にも聞こえません。」

キ「あ、ずる。」

そうこうしている間に座っているAが見える。隣にはフジとヒラ。アイツらも出るのか。

あ、なんか話してる…。嬉しそう。

こ「……気になる？あそこの3人。」

キ「…いや、まぁ、そりゃそうだろ。」

指を刺した先にはあの3人。こーすけにも見透かされてるのがなんだか小っ恥ずかしい。

こ「キヨがこんな感じになるのも珍しいよな。」

キ「そうか？」

こ「うん、珍しいよ。Aちゃんでしかそんな表情、見たことねぇわ。」

Aから告白の返事は聞いてない。でも俺にはわかる。……多分、俺は。その先を聞くのが怖くて遮った。本当、ダセェよな。

答えはもうわかってるのに。

キ「俺本当、ダセェよな。」

こ「うわ！なに！急に弱気じゃん！」

こ「らしくねぇよ、キヨ。お前モテるんだからさ！」

キ「そうだよな、俺モテるしかっこいいし優しいしここまで「そこまでは言ってない」はは、あ、そっか。」

彼女が走る番になった。観客席にいるレトさんが柄にもなくめちゃくちゃ大声出してAに手振ってて面白い。…後でいじってやろう。

それを見た彼女が恥ずかしそうに手を振る。それでもどこか嬉しそう。

競技開始のホイッスルが鳴る。運動するAは見慣れない。アイツだけ応援の量桁違いじゃねぇか。

最後の借り物のところまで来て彼女がくじを引く。出たお題は『好きな人』

「「「好きな人？！？？！？！」」」

こ「うわ、ベタだなー。こんなの漫画でしか見たことねぇよなぁ。」

笑っているこーすけとその紙を見て困惑している彼女。

キ「アイツ、どうすんだろ。」

何かの手違いでも間違いでもいいから、ほんの一瞬でも俺を見てくれないか。そんな気持ちが自分自身の心を苦しめる。

……簡単に、諦められたらどんなに楽なんだろう。いや、楽ではないな。

俺にしろよ、A。