【実況者】君の彼女になりたい Ⅱ【Fj/Ky】 (ページ12)

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「…本当ありがとうキヨくん。うれしい。」

配られた旗を手に取る。完成し損ねたあの旗が小さくなって、…完成した。嬉しくて思わず頬が緩む。

「よかった、…本当よかった。本当にありがとう、キヨくんもこーすけくんも。」

キ「…え？！？！コイツも？！？！」

こ「うん、全然！全然！」

キ「調子に乗るな！お前何もしてないだろ！！」

こ「いいじゃん〜Aちゃんがそう言ってるんだから、ね？」

「ねー！」

キ「こいつマジで関係ないのにうるせぇ。」

いつものやりとり。たのしい。

キ「…で？A何出るんだっけ。」

「わたし？わたしは障害物競走かな、たしか。」

キ「へぇ、そうなんだ。楽しみだな。」

「ええなんで？！お兄ちゃんとレトさんと一緒のこと言う。」

キ「Aがパン食ったり跳び箱飛んだりすんの、楽しみだわ。てかうっしーたち来てんの？」

「あ、来てるよ。昨日の夜伝えたら、なんでお前それ早く言わないんだ！って言われちゃってね〜あはは。」

来なくていい！って言ったのに昨日の夜から準備してて、朝も車でそのまま送ってくれたし、張り切り過ぎなんだよな〜。

キ「あれ………もしかしてレトさん？」

キヨくんが指さした方を見ると、客席でめちゃくちゃ私を探してるレトさんとお兄ちゃん。

「ふふ、全然違うところ見てる。」

キ「Aのことめっちゃ探してんじゃん！」

なんだか大変そうな2人に思わずキヨくんと吹き出してしまった。

そうこうしている間に競技が次々と開始する。200m走の呼び出しアナウンスが場内に響く。

キ「…あ、俺、今からやる競技の後飲み物買ってくるけどなんかいる？」

「えっ！いいよ！」

こ「俺も行くからなんでも好きなの言っていいよ〜！」

「えっじゃあ、ポカリで。」

キ「おう、じゃあ行ってくるわ。」

こ「俺も行ってくるね〜。」

「うん！頑張ってね！ありがとう。」

2人の後ろ姿を見えなくなるまで見つめる。…2人がいなくなったら暇だなぁ…。2人が帰ってくるまで寝よーっと。多分起こしてくれるだろうし。

目を閉じる。応援の声がどんどん遠ざかり、次第に眠りに落ちた。