出会いは偶然にも必然に。

21　向き合う ページ21

上田side.



鳴海:「それでは、ごゆっくりどうぞ。新しい浴衣もご用意させていただきました。」




久坂さんと大浴場に向かった。



久坂:「いや〜いいお湯だ。」

上田:「ホントですね。」

久坂:「上田くん、ジャニーズなんだろ？」


久坂さん、俺のこと知ってんだ。


上田:「はい、そうです。」


いや〜俺、ジャニーズと風呂入ってんのか〜
なんて久坂さんは笑った。




久坂:「ここには何で？仕事か？」

上田:「昨日こっちで仕事あって。合わせて一週間OFFなのでこちらで過ごさせてもらおうかと。」

久坂:「一週間いれるのか。」

上田:「そうなんです。マネージャーが療養してこいって､､､」


ここまで喋ったところで
余計なこと言ったなと思った。
俺、病気とか思われる？？









久坂:「､､､ここは間違いなく安らげる旅館だ。俺が保証してやる。今ある不安も怒りも全部整理できるさ。」








久坂さんが俺のことをどこまで知ってて言ったかは分からない。
でも、この人が言うことは信じられるって直感してる。
だからこの言葉はすごく刺さった。
安心していいんだぞ、って
焦らないでゆっくり考えればいいさ、って
言われてるみたいで。


気づけば俺は泣いてた。
今までため込んでた分が全部流れ出したみたいに。


久坂さんは
背中流してくれ、と言って前を向いた。

21　向き合う→←20　２日目

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す