俺の弱味を握るのは Pt.２【北信介】

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＊



試合は進み

向こうのマッチポイント

これを取られたら終わり


コートに、稲荷崎の応援に緊張が走る


そしてラスト


侑と治の双子速攻



侑がセットし、治が打ったボールは









向こうの1年のブロックにはばかられ


こちらのコートのちょうど白線の上に落ちた








『え…』


ﾋﾟｯﾋﾟｰｯ



試合終了

勝者:烏野高校


稲荷崎高校

春の高校バレー全国大会 2回戦敗退




稲荷崎応援団からの拍手

その拍手が侑にとったら不満だったようで

おっちゃんに怒られとった


『…っ、ぅっ、ﾌｯ､ｳｩｯ…』

私は、大粒の涙を零しながら

人一倍大きな拍手を送った


紀｢ふふっ、A泣きすぎ…ｽﾞｯ｣

『なんやねん、ノリちゃんやって顔面くしゃくしゃやで笑』

紀｢っせ…笑｣


ふぅ、とひと息

終わったんやな…

終わってしまった…


結｢Aちゃん？｣

感慨にふけていたら

北のおばあちゃんに名前を呼ばれた

『？はい…？』

結｢終わっとらんよ｣

『えっ？』

結｢試合は終わってしまったけどな、何一つ終わっとらんよ｣

『っ、…はい！』

結｢ふふっ、さ、私は戻ろうかねぇ。じゃあまたなぁ、Aちゃん｣

『え？1人で大丈夫ですか？』

結｢大丈夫大丈夫！私、これでも米育ててんやで！｣

『！そらええですねぇ！ じゃあまた、会いましょう、結仁依さん！』


結仁依さんは可愛らしく控えめに手を振って

帰って行った


｢っ、ふぅ…ほんなら自由時間やー、ホテルまでの帰り方は分かるなー？よし、じゃあ解散〜、ホテル着いたらロビーに誰かしら先生居るから名前言えよ〜｣

｢｢｢へーい｣｣｣


みんな、何する？買い物行くか？トイレ

それぞれの自由時間を過ごそうとしとる

けど、私にはこの一択しかない


『ノリちゃん…』

紀｢…ん、行っといで｣

『っ…おん！』


私は今までにないほどの速さで走った

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