第91話 ページ1
「好きです」
今、私は昴さんにそう言われた。「好き」その言葉が私の頭の中で繰り返される。そして一度冷静になる。
貴「あ、あの。気持ちは嬉しいんですが………私、天馬と付き合っているんで、す……」
少し言葉を詰まらせながら話す。昴さんが私のことを好きなのはとても嬉しいけど、私が今、恋愛対象として見れるのは天馬だけだ。
すると昴さんは私を拘束していた腕を離して
昴「知っています。でも貴女に苦しい思いをさせるような人よりも、僕の方が貴女を悲しませない自信があります。僕は貴女を彼から奪うつもりです」
真剣な瞳で見詰められてそう言われる。きっぱりと断ると言う決意が揺らぎそうになるほど真剣に見詰められて私は
貴「ごめんなさい………昴さんの事は嫌いではないです。でも恋愛の好きとは思ったことがなくて………私はこれで失礼します……」
その場にいるのが苦しくなって、曖昧に断って逃げるようにして昴さんの部屋を出た。
エレベーターに乗り、自分の部屋の階のボタンを押してエレベーターが止まるのを待つ。皆はまだ、あの二人を追い掛けているのだろうか。それとも諦めて他の事をしているのだろうか。どちらの考えも楽しそうな皆の姿が頭に浮かぶ。
ピンポーン
と音がした。随分止まるのが早いなと思ったが止まった階は私の指定した階では無かった。エレベーターに入ってきたのはカルマ君だった。いちごオレを片手にエレベーターに乗り込んできて私の一個手前の階のボタンを押して、そのままかべに持たれかかった。
業「どうだった?天馬と?」
突然にそんなことを言われて。目を丸くしてカルマ君の方を見た。「何で知ってるの……?」と私は聞いた
業「あー、あいつ(天馬)昼からずぅーと機嫌悪かったし、Aちゃんとちゃんと話し合ったかなー?と思って」
カルマ君は何かと言って天馬の事気にかけているんだな。と思った。「で、どうだった?」と聞かれると私は首を横に振った。カルマ君はそんな私を見てそれ以上は追求してこず、カルマ君が指定した階で止まってエレベーターを出て行く時に
業「俺さ、君と友達でいるって約束したからいつでも頼ってよ友達として」
そう言い、私の頭を少し撫でながら去っていった。
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みたらし団子バカ - 面白い!更新頑張って!(^o^)/ (2018年3月18日 19時) (レス) id: b72e644e8b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かなっち | 作成日時:2018年1月7日 22時