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ミナの家をでて帰る途中
デカデカと飾ってある彼の写ってる広告写真を
見つけてなんとも言えない気分になった
本当にクスリやってるのだろうか？
本当なら全然気付かなかった
私は彼の何を見てきたのだろうか
数日後
ミナの言ったとおり
彼は逮捕されてた
事務所が彼に問い詰めて
白状したからそのまま自首させたみたい
それを知ったのは朝のワイドショー
私達の関係は公にはなってないから
私にまで被害が及ぶことはなかったけど
事務所には本当にやってないのかと
何度も問い詰められた
私もキッパリやってないって答えたし
マネージャーもフォローしてくれた
彼の一件で事務所内はバタついてて
その穴をうめるために彼が出演予定だった
番組に出たりしてアルバム製作のため
ゆったりと組まれてたはずのスケジュールが
いっぱいいっぱいになった
「おっ！REINA、曲作りは順調か？」
「あはは、全然です」
こんな状況で
それでも曲はまだかっていう
プロデューサーは鬼だ
「あっ！REINAちゃん！いいとこきた！」
今日はめずらしく
事務所でよく声かけられるなぁ
「これ、チケットもらったんだけど
一緒に行ってくれない？」
ってコンサートに誘われた
とりあえずは
仕事は一段落ついたし
お世話になってる先輩だし
息抜きも必要だよね
って思って行くことにした
家に帰ってピアノの前に座って
浮かんでくるメロディーを弾いてみる
けど、やっぱり切ない感じになる
はぁ
上手くいかない
ﾋﾟﾛﾘﾝ
携帯がなってみると先輩からで
コンサートの日時と場所の確認メールだった
了解ですって打って返して
ブラックアウトさせた
そういえば誰のコンサートか聞くの忘れてた
カシャーン
あっ
積み上げてたCDや音符が落ちた
…本当に上手くいかない
ついでに曲でも聞こうかな
落ちたCDをの中にマネージャーに借りた
テソンさんのアルバムがあったから
手にとって流した
聴こえてくる
優しい声に耳を澄ませる
綺麗な声…
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作者名：＠あーるぬな | 作成日時：2017年2月27日 17時
