ずぅっと一緒【紫京院ひびき】 (ページ16)

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憎いはずなのにページ16

ひびきside

午後からは休暇が取れたから、家でプリパラの偵察も兼ねてプリパラTVを見ていた

ふわりのライブも初にしては上出来な方だが思ったよりだったな…もう少し別のやり方をさせないと…

安藤に紅茶を入れさせプリパラTVを見ていると今日がデビューの新人アイドルが写った

僕はその姿と名前に驚きが隠せなかった

ひび｢……A…？この歌声は間違いない…ということは、やはりあの生徒は…
もし本当にあのAだとしたら、こんなにアイドルの才があったのか…？
確かに子守唄を歌ってくれていた時はとても聞き心地がよかったが…って違う！！｣

安｢ひびき様、もしやこの方はひびき様の…｣

ひび｢…いや、こいつはもう僕の敵だ…自分で取り付けた約束を自ら破る奴だ、全く…
自分がどの面を下げて何をやっているかわかっていないのか？ハッ、つくづく図太いやつだ…｣

なのに…そのはずなのに、なぜだ…どうしてこうも胸が高鳴る…！！

こいつは僕を裏切ったやつなんだぞ！？きっと、僕のことなんてとっくに忘れてるに違いない

…でも、さっき届けたい人とか言っていたよな…？もしかしたらと考えてしまう

こんな些細なことで舞い上がりそうになる自分が嫌になる

だが踊りも歌も上物だ、とても初とは思えないほど…正直なところふわりよりも明らかに才がある

お前でなければプリンセス特待生としてスカウトしていたところだな

そう思って見ているとファンの声でファンサを望む声がかすかに聞こえ、本人にも届いたのか

両手を使って銃の形を作るとバーンと撃つファンサをした

『バーン！えへへっ♡』

ひび｢ぐぅっ…！！｣

安｢ひびき様！？大丈夫ですか…？｣

ひび｢へ、平気だ…なんてことない…｣

クソっ…！なぜ反応してしまうのだ…憎くてたまらないはずなのに…！

憎いのに愛おしさが込み上げてきてしまう…ダメだ、こいつは僕を裏切ったんだ！！

冷静になれ…今は自分の目標のことだけを考えなければ…

『みんな～！！ありがとう～！！これからも応援よろしくお願いしますっ！』

…考えなければ…！！！

これ以上見ていてはダメになる、急いで安藤にテレビを消させた

僕を蝕む悪魔め…いつか僕の夢が叶ったらお前を僕の世界から絶対に消してやる…！！

…絶対、に…

ひび｢……ふんっ、せいぜい楽しんでおくといいさ！夢が終わるその日までね｣