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『1+1=2』 ページ1
「ねぇ、るー。これなぁんだ!」
少しお姉さんになったばかりの女の子は、にこにこ嬉しそうに真っ白くて、ぴかぴかの長方形の物を僕に向けます。
僕が黙っていると女の子はそれをぎゅっと抱いて、いたずらが成功したときのように笑いました。
「これはね、算数の教科書よ。るーにはわからないかな?」
僕はバカではありません。
とても、とてもかしこいです。
なぜ僕にわからないと思うのか?
それは僕が犬だからでしょう。
女の子は薄黄色のカーテン越しにソファーにそそぐ光を宙で見つめます。
そして、もう一度僕に向き直るのです。
「るー、一緒にお勉強してくれる?」
僕は答えるかわりに女の子のとなりに座りました。
ふわふわのソファーは僕のことを沈めます。
女の子は放っておいてもいいでしょう。
僕はそっと眠りました。
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作者名:banka | 作成日時:2018年4月26日 22時