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子供の扱い ページ21

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わわ、どうしよう。


何も答えることなく、泣き始めてしまった男の子。


そんな子を目の前にして、私はあたふた。




だって、こんなのはじめてだから。


私の周りにいる子供たちは
自分たちのフィールド内である無名街ではみんな積極的で
逆にこっちが押されるくらい。


肩に手を置こうとすれば避けられて、
軽くショックを受ける。




A「レオ………」




助けを求めるように、彼の名前を呼んだ。


なのにレオは、
逃げられてんじゃん、なんて軽く小馬鹿にしてきて。



……俺には関係ないってか。



そう捉えることもできて、私はレオからわざとらしく顔を逸らした。




再び男の子に向き合っていると、近づいてくる足音。


その音に私が振り向くより1歩早く、レオが私の隣に屈んだ。




レオ「……どした?」


「……」


レオ「…何も言わなきゃ、わかんねぇぞ?」


「……」


レオ「途中まで、お母さんと一緒だったんだな?」




レオの問いかけに、男の子はようやく反応して、頷いた。




レオ「お母さんと一緒に、どこか行ってたのか?」


「おもちゃ屋さん………」


レオ「商店街の?」




この質問にも、男の子は頷く反応を見せて。



商店街。


きっと、山王商店街のこと。


親、商店街にいるかもな、なんて
レオと推測を立てていると、今度は男の子自ら話し始める。




「…おもちゃ、買ってもらったの。レンジャーのやつ。でね、お家までお母さんとかけっこしようとして………」




……なるほど。



家までのかけっこね。


それで、方向間違って
住宅地じゃなくて民家がほとんどない、無名街の方向へ走ってしまったのか。




レオも男の子の話を真剣に聞いてて、連れてくか、って私に提案してくる。


そんな私たちの会話を余所に、男の子はまたその瞳に涙を貯めた。




A「ちょ、わわ……」




どうしようか困っていると。




レオ「俺らがお母さんとこ連れてってやるから。」




そんな言葉とともに、浮いた、男の子の体。


そしてそれは、レオの肩の上で落ち着いた。



同時に、男の子の涙も止まる。




「…高い……」


レオ「怖いか?」


「ううん。」


レオ「レンジャーはこれくらい高いんじゃねぇの?」




そんなジョークを交えて、男の子の気を紛らわすレオ。


予想以上に、男の子の扱いは慣れてるらしい。





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mizuho(プロフ) - らな。ちゃんお疲れ様でした。受験頑張ってね。そして必ず戻って来てね。楽しみに待ってます。 (2019年1月6日 23時) (レス) id: 109fdf6d90 (このIDを非表示/違反報告)
あいか(プロフ) - 続きだしてほしいです。お願いします!! (2018年12月3日 12時) (レス) id: 750b708fbc (このIDを非表示/違反報告)
ど根性オレンジ - さっき『好き。...嘘、大好き。』の方に無駄に長いコメントしたのにまたコメントしちゃいました∂∀∂テヘ更新頑張るんだz(殴)グフォッ ...すいませんでした...頑張って下さいぃぃぃi(殴) ..... (2018年9月9日 22時) (レス) id: 37c11fdefd (このIDを非表示/違反報告)
ゆうか(プロフ) - この作品ほんとにめっちゃ大好きです!!更新楽しみにしてます!! (2018年9月4日 23時) (レス) id: fe7972cd9d (このIDを非表示/違反報告)
Misaki(プロフ) - 更新頑張ってください!この作品、凄く大好きです! (2018年8月30日 13時) (レス) id: cd78924a93 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らな。 | 作成日時:2018年6月27日 0時

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