HIGH&IOW〜俺が守るから〜《佐野玲於》

手のひら ページ43

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レオ「……は？」




案の定、頭の上にハテナを浮かべてるレオ。

もはや私も、自分が何を言っているのか分からなくなっていた。




A「…無理に顔、作らないでよ。」


レオ「無理はしてない。」




そんなことを言い張るレオの瞳は、いつもの力強さがない。




A「嘘ばっかり。見てれば分かるよ？」


レオ「……」




ふたりの間に沈黙が流れる。

やがて、レオがぽつりぽつりと話し始めた。




レオ「…あのおばさん、いつも俺に良くしてくれてたんだ。だから、本人からどうしてもここを出たかって聞いて、なんか、腹が立って。今までのはなんだったんだって。」


A「そっか…。」




レオはいろいろと話してくれた。

自分が子供の時から仲がいい、とか、よく遊んでもらったこととか。


私は聞き手となり、静かにレオの話を聞いた。




レオ「……今日で切る。」


A「え？」


レオ「いちいち引きずらない。」


A「……うん。」




話し切ったレオは、どこかスッキリしていて。

思わず、よかった、とつぶやいた。

すると、レオはどういうことかと聞いてきて。




A「レオ、いつもの顔に戻った。目に力強さがある。」


レオ「お前は俺のどんなところを見てるんだ。」




呆れたように笑うその顔は、どこか優しい感じがする。




レオ「……A」


A「ん？」


レオ「ありがとな。」




ぽん、と私の頭の上に乗っかったレオの掌。





……この時、不意にもドキッとしてしまったのは私だけの秘密。




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