HIGH&IOW〜俺が守るから〜《佐野玲於》

私の過去 ページ23

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レオ「Aは、一人暮らしなのか？」




しばらく無言で歩いていると、レオがそんなことを聞いてきた。

私は、質問の趣旨が分からなくて。




A「一人暮らしというか……ずっとひとりでホテル住まいだよ。どうかした？」


レオ「いや、この前、一方的に俺がAを無名街に連れてきてしまったから、もし親とか一緒に住んでるやつがいるなら、連絡とかは大丈夫だろうか、と。」


A「あー、それね。大丈夫、私、親いないから。」


レオ「いない？」




サラッと口にしたことをレオは流すことなく聞き返してきた。

まあ、立ち止まる話ではあるだろうな、と思ったけど。




A「両親、私が赤ちゃんの頃に事故で2人とも亡くなってるの。祖父母も既にいなくて。ずっと、孤児院で育った。」


レオ「そう、なのか。」


A「本当は黙っとこうと思ってたけど……今はね、一応探偵の仕事してて。仕事上、行動範囲が広いから、部屋借りても帰れない時の方が多そうだと思って、ホテル住まいにしてる。」


レオ「………」




レオは、私の話を静かに最後まで聞いてくれた。

この話は重った苦しいから、あまり話してこなかったけど、
レオにならいいかなって、なぜか思った。




レオ「…ここに来たのも、探偵の仕事か？」


A「そう。あ、あまり口外しないでね？クライアントからの信頼は必要不可欠だから。」


レオ「わかってる。」




レオはそういうと、少し黙った。

そして、また、口を開いて。




レオ「話してくれて、ありがとな。」


A「え？」


レオ「よくわかんねえけど、嬉しいよ。」




お前が何者なのか少しわかった気がする、なんて言って優しく笑う。


その優しい笑顔に、なんだか泣きそうになった。





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