もし俺が好きって言ったらどうする？【4】[佐野玲於]

思わせぶりじゃない ページ6

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玲於side






亜嵐「玲於、ちょっといい？」




メンバー全員で躍り込みしてて、ちょうど休憩に入ったところで、俺は亜嵐くんに呼ばれた。



何のこと話す気なのかは、だいたい予想はつく。



ふたりでスタジオの隣の会議室に入り、面と向き合う。



柔らかい表情で亜嵐くんは言った。




亜嵐「……玲於さ、Aちゃんのこと別に好きじゃないとか言ってたよね？」



玲於「…うん。」



亜嵐「…じゃあさ、昨日なこと、しない方がいいと思うんだ、俺。」




…昨日みたいなこと。


きっと、帰り際のことだろう。



亜嵐くんは俺が答えやすいようなに、優しい口調で話そうと心掛けてるのがわかる。


だけど、顔、引きつってんだよね。


目が真剣さを表してる。




亜嵐「あれは思わせぶりな態度だよ。」




亜嵐くんが言うことは、正当なこと。


一瞬、言葉の力強さにひるんでしまった。




………だけど。





玲於「……思わせぶりじゃないって言ったら？」



亜嵐「…どういうこと？」



玲於「俺がAの気を引きたくて、やったことだとしたら？」



亜嵐「……」




じっと見つめられる。


もう俺が言いたいことを分かってるよう。



はっきり、言うんだ。


俺は、ふたりの間に流れた沈黙を自ら破った。




玲於「……亜嵐くんごめん。やっぱ、俺もAのこと好きだわ。」





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