もし俺が好きって言ったらどうする？【4】[佐野玲於]

ついていない日 ページ31

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A「あー、やっぱ腫れてる。」




次の日。


私は、鏡に映る自分の顔を見てため息をついた。



目元が腫れてる。


あんなに泣いたら、そりゃ腫れるよ。


昨日一応冷やしたからか、幸い、そこまでではないけどね。




A「メイクで、隠れるかなぁ…？」




とりあえず試行錯誤を繰り返す。


結果、いつもより念入りにしてみると、どうにか隠すことに成功した。




…いつもと違う感じだけど、仕方ない。




そう心の奥で呟くと、荷物を鞄に詰めて、部屋を出た。






金沢「あれ？なんか今日雰囲気違うな？」




顔を見るなり、そう言ってきた金沢さん。


そうですかね？って、適当に返しておいた。




金沢「あ、そうそう。篠原、これ、追加でデータ起こしてほしいそうだぞー。」



A「げっ。」




金沢さんが渡してきた資料の厚さに顔が引き攣る。




金沢「そんなおっさんみたいな声出すなよ。笑 顔も歪んでるって。笑」



A「もとからこういう顔と声です。」



金沢「嘘つけ。笑」




今日は担当の収録もないし、がっつりデスクワークだな。


腰が痛くなるのを想像して、ため息が出た。





資料を必死にパソコンに入力する。


すると、




「篠原さーん。」



A「はーい！」




名前を呼ばれて振り返ってみると、足元にダンボール箱をいくつも置いている同僚の人。



うわ、嫌な予感がする。




「悪いんだけど、これ7階に運ぶの手伝ってくれない？」



A「わかった。」




ありがとう！って言われて、ダンボール箱を2つ受け取る。


予想通り、重い。




A「…これ、何往復しないといけないかな？」



「あっちの部屋にまだあるから、5往復くらいかな…？」




…マジか。


もう、同僚の人も顔が疲れてる。




A「…がんばろっか。笑」




後から、他のふたりも手伝ってくれて、お互い励まし合いながら、やけくそに運んだ。



…今日は、ついていない日なのかもしれない。




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