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我慢しないで ページ30

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亜嵐「Aちゃん!」



A「えっ、亜嵐くん?」




ひとりで歩いていると、亜嵐くんに名前を呼ばれて振り返る。




A「どうしたの?」



亜嵐「送ろうと思って。」



A「そんな、いいのに!」



亜嵐「いいから。」




そう言って、ちょうど走っていたタクシーを止めた。



亜嵐くんは私にタクシーに乗るよう、促す。




A「すぐ着く距離なのに…いいの?」




そう聞くと、ずいっと亜嵐くんの顔が近づいた。




亜嵐「……目。」



A「え?」



亜嵐「さっきからずっと、潤んでる。」



A「えっ…」



亜嵐「目元も赤い。」




反射的に、目元を触れながら目を逸らした。


実際、亜嵐くんが来る前に、ほんの少しだけ涙がこぼれた。

それを、軽く、拭っただけだったのに。


なんで、こんなに亜嵐くんは鋭いんだろう。




A「……目立つ?」



亜嵐「ううん、あまり。」



A「やっぱり、亜嵐くんは鋭いなぁ。」



亜嵐「……Aちゃんのことだからだよ。」



A「どういうこと?笑」




小さく笑ってみせると、亜嵐くんが静かに口を開く。




亜嵐「俺ね、まだAちゃんのこと好きだから。今の関係が気まづくなるのはいやだから、今さらどうしようってつもりもない。
俺じゃなくて、玲於のために、Aちゃんが泣きそうになってることもわかってる。」




右手の指先を、軽く握られる。




亜嵐「でもさ、好きな子のそんな顔、見たくないんだよ。だから、我慢しないで。俺、いるからさ。」




真っ直ぐ前を見ながら優しい口調で言った亜嵐くん。


途端に、視界が歪んできた。




A「…っ」




亜嵐くんの手に、力がこもる。




私が泣いてる間、亜嵐くんは特に何をすることもなく、ただただ私の手を握ってくれていた。






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らな。(プロフ) - ちょんさん» こちらこそ読んでいただいてありがとうございます!私も今日は学校です笑 お仕事頑張ってくださいね! (2018年3月27日 8時) (レス) id: 3fd04ece2f (このIDを非表示/違反報告)
らな。(プロフ) - こうちゃんさん» コメントありがとうございます!やっと告白にたどり着きました笑 私はこのコメントに泣きそうです(;;) (2018年3月27日 8時) (レス) id: 3fd04ece2f (このIDを非表示/違反報告)
ちょん(プロフ) - はじめまして。ドキドキ楽しすぎて仕事の準備しなくちゃいけないんですけど、止まりません!キュンキュンありがとう! (2018年3月27日 7時) (レス) id: 806438be60 (このIDを非表示/違反報告)
こうちゃん(プロフ) - いつもこのお話楽しく読ませてもらってます!!もうずっと前からこのお話大好きでファンだったので告白のところでもう涙が出てきました(;_;)これからも更新頑張ってください!!! (2018年3月26日 10時) (レス) id: 2c479ecd30 (このIDを非表示/違反報告)
らな。(プロフ) - xxさん» 以前もコメントをいただいた気が.....!!(º ロ º*) 嬉しすぎますありがとうございます!タイトル!ついに出せました!笑 楽しんで読んでいただけて光栄です(*^^*) (2018年3月24日 1時) (レス) id: 3fd04ece2f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らな。 | 作成日時:2018年3月4日 15時

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