少しくらい、俺のこと見てくれてもええんやで？【宮治】

笹倉先輩 ページ40

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Aside





黒髪の短髪に、キリッとした瞳。




ワイシャツの襟にある学年と所属の科を示すバッジの色を見れば、
私の一個上、つまり北さん達と同じ3年を示していて。





A「あ、えと、大丈夫です……」



「ほんまに？すごい音したで？」



A「高いところの本取ろうとしたら、その周りの本まで落ちてきちゃって…」



「じゃあ、これら戻すんやな？手伝うわ。」



A「え、そんな！大丈夫です！」



「ええから、ええから。後輩の前やねん、かっこつけさせてや？」





本を拾いながら、爽やかな笑顔を浮かべる先輩。



慌てて私も片付けようとするんだけど、なんせ戻すのが高い位置だから、結局ほとんど先輩によって片付けられた本たち。





A「ほとんどやってもらってすみません……、私、2年の及川Aです。ありがとうございました。」



「女子には大変なんやから、気にせんといてな？あ、俺は笹倉翔太。」



A「笹倉、先輩。」



翔太「Aちゃんって、バレー部のマネージャーよな？俺、北と同じクラスやねん。」



A「あ、はい！そうです……！」



翔太「熱心なマネージャーがおるやなんて、ほんまバレー部は羨ましいわ。」





笹倉先輩は、私の手元の本を眺めながら
優しそうに目を細めた。





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