少しくらい、俺のこと見てくれてもええんやで？【宮治】

部活前の用事 ページ25

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Aside






3コマ授業を受け終えて、やっと放課のチャイムが鳴った。





治「A、俺日直やから遅れるかもしれへん。」



A「了解。」





なんて言葉を交わしながら、お互い鞄に教科書を詰める。



すると。





「Aちゃん。」





不意に名前を呼ばれ、私は顔を上げた。





A「あれ、島田くんじゃん。」



島田「今から部活？」



A「うん。」



島田「悪いんやけど、５分くらい時間くれへん？用あんねんけど。」





…５分かぁ。


まあ、それくらいなら着替え巻けばいいし。





A「いいよ。どうかした？」



島田「あ、いや……ここじゃ何やから、場所変えよか。」



A「？…いいけど。」





そう答えながら立ち上がった。





治「なんや、直で部室行くんとちゃうんか。」



A「うん。ちょっと用済ませてから。」



治「……」



A「…？、治？」





黙ったままじっと見つめられて、
変に思いながら彼の名前を呼んでみる。



だけど、はよ行かんと侑がうるさいぞって言うだけで
すぐに視線を手元に移してしまった。





島田「ほな、ちょっとええ？」





あとでねって治に声をかけて席を立つと
島田くんのあとをついていく。



階段をおりてたどり着いたのは、人気の少なくなった小さな中庭。




…早く済ませて部活行かなきゃな。


準備遅くなっちゃう。





A「で、用って？」



島田「ああ、うん。なんか、邪魔されそうな予感したからさっさと言っておこう思て。」



A「？なにを？」



島田「…俺な、Aちゃんのことずっと可愛い思てたんや。彼女になってくれへん？」





そう言った途端、一気に距離を詰めてきた島田くん。





A「……は？」






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