少しくらい、俺のこと見てくれてもええんやで？【宮治】

予想外 ページ11

.

Aside







その日の部活中、アランさんがふと私の名前を呼ぶ。





アラン「Aー、テーピングあとひとつになってしもたー！」



A「あ、じゃあ明日買いに行ってきますねー」





明日はちょうど土曜日で、3年生だけ模試があるから練習は夕方から。



午前中ささっと買いに行けるな。



あ、ポカリの粉もなかったか。


あと、ストップウォッチも1個足しといてって言われてたなぁ。


あ、あと湿布とコールドスプレーも買って…





A「んーと、薬局行って、スポーツ用品店も…」





メモ帳に買うものを軽くリストアップした。



うわ、なんだかんだ荷物増えそう。




テーピングなんかはまとめて買うから
全て買い終わったあとの荷物を想像して一気に気分が下がる。



そんな私の目の前をちょうど侑が通りかかって。





A「あ、侑ー！」



侑「俺は課題で忙しいねん。」



A「そんなの聞いたことないわ。ていうかまだ何も言ってないじゃん。」



侑「荷物持ちにはならへんからな？」



A「ドケチ。フランスのジェントルマン見習って。そんなんだからモテないんだよ。」



侑「心配せんでも自分よりはモテとるわ。」





うわ、サラッと嫌味…！！



フッ、と勝ち誇ったように笑う侑。


ムキになって侑を睨んでいると、
今度は治が通りかかって。





治「…心せっま。」



侑「なんやと！？」





治がボソリと煽ればそれをしっかりと聞き取ってる侑。



また喧嘩が始まるのかと思いきや、
治の視線はこちらに向いた。





治「Aも頼む相手間違ってんねん。」



A「だって通りかかったのが侑だったから…」



治「荷物持ちやろ？来てくれるやつに頼めばええやん。銀とか、…俺とか。」



A「え、治？」





それって、





治「明日やろ？何時？」



A「午前中にでもって…」



治「ほんなら、10時に駅の改札な。部活まで時間あるし、私服で行こか。」





決まりな、ってあっさり予定を組んだ治。


予想外の片割れの行動に、侑も目を丸くしていた。






.

少なくとも→←癪や

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す