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もう少しだけ ページ7

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Aside






A「ちょ、何して………!?」



亜嵐「うるさい。」




いつもと違う白濱くんの声に、それ以上反論できなかった。


どうしたらいいかも分からずただただ固まっていると、
静かに口を開いた白濱くん。





亜嵐「……もしかして、今日変だったの、そのせい?」



A「……」



亜嵐「一緒に帰れるかなんて聞いてきたのも、その、不審者のせい?」



A「……」





無言の肯定ってやつ。


それを悟った白濱くんからは、大きなため息が漏れる。





亜嵐「なんで言ってくんないの。」



A「だって……自分の勘違いかもしれなかったし……」



亜嵐「もし今日不審者が捕まってなくて、またAちゃんのことつけてたらどうすんの?」



A「……」





……何も言えない。



そんな私を抱きしめたまま、
バイトの早めに切り上げてよかった、なんて呟いてる白濱くん。


その声は、いつもの調子に戻っていた。





亜嵐「……知ってる?ハグってリラックス効果あるんだよ。」



A「……へえ。」



亜嵐「あと、血圧も下げられる。」



A「………なにそれ。笑」





少しだけ吹き出してみる。


すると、顔の少し上のあたりからも楽しそうな息遣いが聞こえた。




和やかな雰囲気が流れたと思えば、
今度は白濱くんの腕に少しだけ力が込められて。



小さく聞こえてきた、白濱くんの声。





亜嵐「………めちゃくちゃ心配した。」



A「……うん。」



亜嵐「……無事でよかった。」



A「………」





返事をする代わりに、私は彼の制服を少しだけ握った。


そして、白濱くんの腕の中でこぼしたのは、





A「………ありがとう、来てくれて。」





そんな、お礼の言葉。




白濱くんの腕の中は、ドキドキして。


聞こえてしまいそうなくらい、鼓動は激しくなってて。



すごく、恥ずかしくて。




でも、それ以上に温かくて。


安心して。




ゆっくりと解かれたその腕に、
もう少しだけって、名残惜しさを感じる自分がいた。





.

らしくない→←足音の正体



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SOLTWORLD(プロフ) - 更新ありがとうございます!本当に投票楽しみにしています! (2019年9月20日 19時) (レス) id: ef07261ca1 (このIDを非表示/違反報告)
ど根性オレンジ(プロフ) - らな。さん» お久しぶりです!楽しみに待ってますね!(*´▽`*) (2019年8月31日 10時) (レス) id: 20d845d7dd (このIDを非表示/違反報告)
らな。(プロフ) - まる さん» コメントありがとうございます!頑張ります!(^^) (2019年8月27日 0時) (レス) id: 3fd04ece2f (このIDを非表示/違反報告)
らな。(プロフ) - ど根性オレンジさん» ど根性オレンジさーーん!!笑お久しぶりです(><) これから更新頻度上げれるように頑張っていきますo(^-^)o (2019年8月27日 0時) (レス) id: 3fd04ece2f (このIDを非表示/違反報告)
らな。(プロフ) - IBU-00さん» コメントありがとうございます!更新カメ極めてて申し訳ないです(;;)頑張ります! (2019年8月27日 0時) (レス) id: 3fd04ece2f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らな。 | 作成日時:2019年5月9日 0時

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