好き。…嘘、大好き。〜after story〜[佐野玲於]

気づいた？ ページ10

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Aside





思い切って頭に浮かんだことを聞いてみれば、
案の定、はぁ？って、何言ってんだとでも言いたげな反応。




玲於『あほ。そんなんじゃねぇよ。』


A｢え、でも気になったって……｣


玲於『うるせぇ。仲間待ってんだろ？もう切るぞ。』




素っ気ない玲於くん。


いや、これが彼の普通なんだろうけど。



…せっかく話せてるんだから、もうちょっと話してたい、なんて
自分勝手なわがままが浮かんで。



まあ、でも、皆が待ってることは確か。


せっかく私のために開いてくれたのに、すっぽかすのは申し訳ないからね。




A｢……そうだね、みんな待ってるし。じゃあ………｣


玲於『……2時間後。』


A｢へ？｣


玲於『2時間後、また電話するから。絶対出ろよ？』


A｢え、この後？｣


玲於『さすがにホテルにいる頃だろ。なに、嫌なわけ？』


A｢……全然！絶対すぐ出る！｣




少し興奮気味でそう言えば、
ふっ、と聞こえた小さな笑い声。


バカにしたのじゃなくて、なんかこう、優しい感じの。



…もしかして、もうちょっと話したいと思ってたの、気づいた………？





そんなこと考えてるうちに、ばーかってちっちゃく聞こえてきた悪態と
玲於くんによって切られた通話。


プー、プー、と聞こえてくる機械音をタップで止めて、私はみんなが待つ席へと戻った。




｢…あ、帰ってきた。｣


｢なんか、にやけてない？笑｣


A｢えっ、｣


｢ほんとだ、顔緩んでる！｣




どうやら私は、
単純な上に、どうしても顔に出てしまうタイプらしい。





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