好き。…嘘、大好き。【6】[佐野玲於]

どうでもいい ページ6

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Aside





玲於｢………は？｣




案の定、玲於くんはぽかんとして。


玲於くんの間抜けな声は、私たちが立ってる通路の壁に吸収されていった。




玲於｢…え、何。昨日のこと引きずってる？それなら悪かったって。｣


A｢違う。その事なら謝るのは私だから。でも、それとは関係ない。｣


玲於｢じゃあ、何が言いたいわけ？｣


A｢……玲於くんとは、最低限関わらないようにする。｣


玲於｢なんでだよ？｣


A｢だって、悪いよ、夏希さんに。｣


玲於｢昨日から思ってたけど、なんでそんなに夏希のこと気にしてんの？｣




眉間にしわ寄せながら、そんなこと聞いてくる玲於くん。



なんでって………




A｢…夏希さんは、玲於くんの大切な人でしょ？｣


玲於｢…は？｣


A｢だって、あのバーに夏希さん連れてきてたってことは、そういうことじゃん。“秘密基地”、これからは夏希さんと行くんでしょ？｣




いつかに玲於くんが使っていた比喩を使ってみれば
少しだけ目が見開かれた気がした。




玲於｢A……｣


A｢テルさんの店にも、もう行かない。｣


玲於｢話、聞けって…｣


A｢だって、2人に出くわしたら、気まずいもん。｣




玲於くんの話なんか、ほっといて。


淡々と喋りながら、必死の作り笑いを浮かべた。




A｢心配しなくても、仕事はちゃんとするよ。プライベートとは区別つけるから。｣




……これも、玲於くんが言ってた言葉。


嫌味に聞こえたらどうしよう、とか思ってみたけど、もうどうでもよかった。





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